“みつめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
凝視64.8%
見詰14.1%
熟視4.2%
4.2%
目守1.4%
三目1.4%
三眼1.4%
注視1.4%
睇視1.4%
1.4%
瞠視1.4%
瞻視1.4%
視詰1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まして得三高田等は、驚き恐れつ怪しみて、一人立ち、二人立ち、次第に床の前へ進み、じっと人形を凝視みつめつつ三人みたり少時しばらく茫然たり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三四郎はさむいのを我慢して、しばらく此あかいものを見詰みつめてゐた。其時三四郎のあたまには運命があり/\とあかうつつた。三四郎は又あたゝかい布団ふとんのなかにもぐり込んだ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さてかくわが心は全く奪はれ、固く熟視みつめて動かず移らず、かつ視るに從つていよ/\燃えたり 九七—九九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
狭い額の人間など、往々例外はあるにしても、ず滅多に博士には成れない。眼は全く微妙である、みつめる時には充分に鋭く、瞶めない時にはやわらかい。だが最も特色的なのは、笑われる時の鼻皺であろう。
小酒井不木氏スケッチ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
居間へ這入はいッて手探りで洋燈ランプとぼし、立膝たてひざの上に両手を重ねて、何をともなく目守みつめたまましばらくは唯茫然ぼんやり……不図手近かに在ッた薬鑵やかん白湯さゆ茶碗ちゃわん汲取くみとりて、一息にグッと飲乾し
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ト聞くと等しく文三は駭然ぎょっとしてお勢の顔を目守みつめる。されど此方こなたは平気のてい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
他の二人は本所三目みつめの上屋敷にゐた井上栄三えいさんの母と穉子をさなごとであつた。栄三の母は子を抱いて死んでゐた。其他同じ上屋敷の平井東堂の家では婢が一人死んだ。平井の事は前に渋江抽斎伝中に記した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
その怖ろしい顔——では特別に怖ろしい顔ではないが、その生れもつかぬ三眼みつめが承知しない。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
岡は少女のように顔を赤めて、葉子の視線を受けきれないでひとみをたじろがしつつ目を伏せてしまった。葉子はいつまでもそのデリケートな横顔を注視みつめつづけた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
パチリとはしないが物思に沈んでるという気味があるこの眼に愛嬌あいきょうを含めて凝然じっ睇視みつめられるなら大概の鉄腸漢も軟化しますなア。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
母は無意味に池の上をみつめていたが、やがて気を換えて
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
爾時そのときわかき漕手いとあわただしく、龍卷(ウナ、トロムバ)と叫べり。その瞠視みつめたる方を見れば、ミネルワの岬より起りて、斜に空に向ひて竪立じゆりつせる一道の黒雲あり。形は圓柱の如く、色は濃墨の如し。
観衆はいずれも息を潜めて瞻視みつめている。
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
私は狼狽あわてて壁を視詰みつめ
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)