“みまも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
見守41.8%
25.3%
見戍14.8%
熟視2.7%
目戍2.7%
2.2%
看護1.6%
視守1.6%
看守1.6%
1.1%
見護1.1%
凝視0.5%
監視0.5%
瞻戍0.5%
見戌0.5%
見瞻0.5%
視戍0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
我家の庭に蝿を見るは毎年五月初旬なるを思ひ、茫然ばうぜんとこの蝿を見守みまもること多時、僕の病体、五月に至らば果して旧に復するや否や。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
他人の心の上に落ちる自分の姿をみまもつて、こゝにも亦、寂しく通り過ぎる影しかないことを、はかなんでゐる様な心境である。
童子は、すばやく玄関から次ぎの部屋をぬけ、離亭への踏石へおり立とうとしたとき、一軸の仏画が床の間に掛けられてあるのを見戍みまもった。
後の日の童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
『いや、戯言じようだんぢやない。』と銀之助は丑松の顔を熟視みまもつた。『実際、君の顔色は好くない——て貰つては奈何どうかね。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さわやかなるに驚きて、はかばかしく答もなさず、茫然としてただ、その黒檀こくたんの如く、つややかなるおもて目戍みまもり居しに、彼、たちまちわが肩をいだいて、悲しげに囁きけるは
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
雨の降る日は老爺は盡日ひねもす圍爐裏に焚火をして、じつと其火をみまもつて暮す。お雪は其傍で穩しく遊んで暮す。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それがまた十ばかりつづいてまた息が幽かになつた。そのうち八時になつたので、みんなが暫く休んで朝食をした。その間に赤彦君を看護みまもつてゐたが、平安な顔貌に幾らか苦しみの表情が出て来た。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
私は、佐治の顔を視守みまもりつづけながら、うつろになつてゐる頭から一言一言絞り出すやうに、やつと、それだけ云ひ終つたのだ。
イボタの虫 (新字旧仮名) / 中戸川吉二(著)
これが友吉おやじ一流の遣り方かな……ぐらいに考えて一心に看守みまもっているだけの事であった。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それかあらぬか、小野忠雄は息をのんでこの様子をみまもり、代師範の梶新左衛門もまた吾を忘れてしまったてい
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蔭ながらお夏の安否を見護みまもっていたのです。
その青白き発光体の尾を凝視みまもる。
初夏(一九二二年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「さあお前達は監視みまもっていろ。……ヨハネ、ペテロ、ヤコブは来い。俺と一緒に来るがいい」
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ひながらも王樣わうさまは、名簿めいぼ彼方此方かなたこなたさがしてられました、ところであいちやんは、つぎなる證人しようにんんなのだらうかとしきりにたくおもひながら、じつ白兎しろうさぎ瞻戍みまもつてました、がやが
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
しばらくしてあいちやんはとほくのはうで、パタ/\ちひさな跫音あしおとのするのをきつけ一しん其方そのはう見戌みまもつてました、ねずみ機嫌きげんなほして、もどつてて、はなししまひまでしてれゝばいがとおもひながら。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
私はわれ/\の祖先がまだ国家意識を深く持たなかつたと思はれる飛鳥の都以前の邑落生活の俤を濃く現して見て、懐しい祖先のいとほしい粗野な生活を見瞻みまもらなければならぬ。
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
と、曖昧あいまいに答へながら、びるやうに私は兄の顔を視戍みまもつてゐた。兄と一緒にさへ居られれば力強い気がされてゐたのだつた。
イボタの虫 (新字旧仮名) / 中戸川吉二(著)