看護みまも)” の例文
その年の十月十七日容態はにわかに悪化し、少しばかりの近親と友人達に看護みまもられて、天才ショパンは最後の時を迎えたのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
それがまた十ばかりつづいてまた息が幽かになつた。そのうち八時になつたので、みんなが暫く休んで朝食をした。その間に赤彦君を看護みまもつてゐたが、平安な顔貌に幾らか苦しみの表情が出て来た。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「病人はそこの木蔭に寝かせて置いたが、愚僧一人では何んとしても手が及ばない。貴殿も暫く看護みまもって下さらぬか」
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
彼が死ぬとき、彼に腕を貸そうと申し出る伯爵夫人や令嬢は、ヨーロッパ中に五十人以上もいるだろうと言われたショパンは、少数の友人に看護みまもられながら、こうさびしく死んでいったのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)