“虚”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
むな24.9%
きょ20.2%
うつろ13.9%
うつ12.1%
から5.2%
うそ4.0%
うろ4.0%
むなし3.5%
きよ2.3%
すき1.7%
(他:14)8.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“虚”を含む作品のジャンル比率
文学 > イタリア文学 > 詩42.9%
文学 > 文学 > 叢書 全集 選集33.3%
文学 > フランス文学 > 詩17.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
青白いスクリインは、バタバタと風にあおられ、そのまえに乱雑に転がったデッキ・チェア、みんな、むなしい風景でした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
私は土の崩れるような大きな激情がよせて来ると、何もかもが一切むなしくなりはてて、死ぬる事や、古里の事を考え出してくる。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「またしても、兄者あにじゃの念入りが、敵にきょを突かせたわ。せっかく勝っていた戦をよ。三井寺はもう奪り返せまい!」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と気づいて、頭のしんから体じゅうを、しーんときょにして、形はあれど、迷妄も悩悶のうもんもない、無我の影になろうとした。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝成は、まだ不きげんが去らない。苦虫をかみつぶしたように、まばゆい初夏の庭面にわもへ、うつろに眼を向けていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
撫でるとまだ躰温が高く感じられるが、みひらいたままの眼や、なかばあいている口は、もううつろな死をあからさまに示していた。
私は遊離した状態に在る過去を現在と対立させて、その比較の上に個性の座位を造ろうとするうつろな企てにはき果てたのだ。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
乏しい電灯の光の下、木目きめの荒れた卓を前にし、吉良兵曹長は軍刀を支えたまま、うつろな眼を凝然ぎょうぜんと壁にそそいでいた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
春を呼んで、米はどうなっているかと問うてみると、丁度米櫃こめびつからになって、跡は明日あした持って来るのだと云う。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
博士はからになった杯を、黙って児髷ちごまげの子の前に出して酒を注がせて、一口飲んで語り続けた。
里芋の芽と不動の目 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
まるうそのやうなおもひがしました、のち巌谷いはや初対面しよたいめんの時の事を言出いひだして
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
仮令たといお手紙を上げたとて、うそまことになりもせず、涙をどれ程そそいでも死んだものが生き戻りはいたしますまい。
とお爺さんは、猿や兎や山鳩に、いちいち上機嫌で挨拶して林の奥に進み、山桜の大木の根もとが広いうろになつてゐるのに潜り込んで、
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
とお爺さんは、猿や兎や山鳩に、いちいち上機嫌で挨拶して林の奧に進み、山櫻の大木の根もとが廣いうろになつてゐるのに潛り込んで、
お伽草紙 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
もし天地間、調実コンシステントなるものひとり彼ありとせば、心をむなしうして彼の経綸策を講ずる者、あに智ならずや。
最後の勝利者は誰ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
されどこの怪しき身のむなしき影にあらずして、じつなる形なるはあきらかなりき。
ちよろりと足許あしもとをなめられはしないかと、爪立つまだつほどに、しんきよしてるのだから、だらしはない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
〔譯〕雅事がじ多くは是れきよなり、之をと謂うて之にふけること勿れ。俗事却て是れ實なり、之を俗と謂うて之をゆるがせにすること勿れ。
やが茫乎ぼんやりとしたすきうかゞつて、たゞ一息ひといき飛掛とびかゝるのがつねだから
睨合にらみあつてあひだに、先方せんぱうすきでもあつたなら
早くいッて見れば空漠として広いくうの中に草の蔓は何故無法に自由自在に勝手に這い回らないのだろう。
ねじくり博士 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
の、満つる世界なり、
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
すかさず白糸は起きかえるところを、はたと踢仆けたおされたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
捨置かば如何いかに募らんも知らずと、貫一は用捨無く※放もぎはなして、起たんと為るを、彼はすかさずまつはりて、又泣顔を擦付すりつくれば、こらへかねたる声を励す貫一、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
○「小声でやってくだせえ、みんなそらっぺえばなしで面白くねえ、旦那が武者修行をした時の、蟒蛇うわばみ退治たいじたとか何とかいうきついのを聞きたいね」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其處そこよりたして、當藝たぎの上に到ります時に、詔りたまはくは、「吾が心、恆はそらかけり行かむと念ひつるを、今吾が足え歩かず、たぎたぎしくなりぬ」とのりたまひき。
男色を妖怪じみたものにしか解さぬ私に、その有様は笑止であったが、然し、お仕えしたい、という言葉にこもる己れをむなしゅうした心事には、胸を打たれずにいられなかった。
死と影 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
おのれをむなしゅうするものゝみが、悪党の魂に感動を与える。
織田信長 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
彼等は皆過去の十一箇月をあだに送りて、一秒のちりの積める弐千余円の大金を何処いづくにか振落し、後悔のしりに立ちて今更に血眼ちまなこみひらき、草を分け、瓦をおこしても、その行方ゆくへを尋ねんと為るにあらざるなし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
鳴門の潮の逆風さかかぜに怒つて天にはびこるやう凄じき御祈願立てさせ玉ひしと仄に伝へ承はり侍りしが、ねがはくは其事のいつはり妄にてあれかしと日比ひごろ念じまゐらせし甲斐も無う
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
わけ知らずの言葉ぞや、……とかく恋路にはいつわりもなし、誠もなし、ただ縁のあるのが誠ぞやという、思うにまかせぬ恋の悲しみの真理を語っている一くさりを思い合わせてふっとした行きちがいから、何年にも続いて
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
虹汀、修禅の機鋒きほうを以て、身を転じてくうを斬らせ、咄嵯とっさに大喝一下するに、の武士白刃と共に空を泳いで走る事数歩、懸崖の突端より踏みはずし、月光漫々たる海中に陥つて、水烟すいえんと共に消え失せぬ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
むやみに歩き廻って腹ばかりかせるのも考えものだ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
ところが、此歌などになると、少しキヨしてゐる様な歌口である。