“す”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
7.5%
6.7%
6.5%
5.8%
5.2%
5.2%
4.8%
4.3%
3.7%
3.6%
(他:2347)46.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その日はうちへ帰っても、気分が中止の姿勢に余儀なくえつけられたまま、どの方角へも進行できないのが苦痛になった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして目をえてもう一度雪野の果てにそびえ立つ雷電峠を物珍しくながめて魅入られたように茫然ぼうぜんとなってしまう。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
旅先きでの簡単な結婚式にもせよ、それを済ましたあとの娘を、ぐに木下にたくするのが本筋であると思ったからである。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「主事!」とふたたび邦夷は阿賀妻に呼びかけた、「ぐに、その――判官どのとやらに乞うてみようではないか、早いがよい」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
一眼にふもとまでかされるのみならず、麓からさき一里余のはたけ真直まっすぐまゆの下に集まって来る。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その光りが、庭石や生えのびた草叢くさむらを白く照して、まるで風景写真の陰画いんがかしてみたときのようだった。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
馬は泡を吹いた口を咽喉のどりつけて、とがった耳を前に立てたが、いきなり前足をそろえてもろに飛び出した。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
神尾主膳がそれを抜いてつくづくと見ると、例の平野老人は眼鏡のかおをそれにりつけるようにして横の方から見ました。
僕をして執念しゅうねく美くしい人に附纏つけまつわらせないものは、まさにこの酒にてられた淋しみの障害に過ぎない。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
握る名と奪えるほまれとは、小賢こざかしきはちが甘くかもすと見せて、針をて去る蜜のごときものであろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それに居まわりが居留地で、しんとして静かだから、海まで響いて、音楽の神がむ奥山からこだまでも返しそうです。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これは寒國かんこくうさぎふゆあひだ眞白まつしろになるのとおな保護色ほごしよくです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
うんと踏ん張る幾世いくよの金剛力に、岩は自然じねんり減って、引き懸けて行く足の裏を、安々と受ける段々もある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と寄ると、英吉は一足引く。微笑ほほえみながらり寄るたびに、たじたじと退すさって、やがて次の間へ、もそりと出る。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれども両人ふたりが十五六間ぎて、又はなしり出した時は、どちらにも、そんな痕迹はさらになかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其時代助の脳の活動は、夕闇ゆふやみを驚ろかす蝙蝠かはほりの様な幻像をちらり/\とすにぎなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たとへ偶然ぐうぜんとはいへ、このはなじま漂着へうちやくして、大佐たいさいへ
むかし、むかし、うみそこ竜王りゅうおうとおきさきがりっぱな御殿ごてんをこしらえてんでいました。
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
うたきな石臼いしうす夢中むちうになつて、いくらいても草臥くたぶれるといふことをりません。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
きらいと云ったところで、構図の上に自分の気に入った天然の色と形が表われていればそれでうれしかったのである。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
き家」という言葉は道教の万物包涵ほうかんの説を伝えるほかに、装飾精神の変化を絶えず必要とする考えを含んでいる。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
「ええッ! だが私は腹がききってるんだ。私は日の出から歩き通した。十二里歩いたんだ。金は払う。何か食わしてくれ。」
「耳をましてごらん。エンジンの音がきこえるだろう。ロケットの機尾きびから、瓦斯ガスを出している音もするだろう」
遊星植民説 (新字新仮名) / 海野十三(著)
……わたしは、あれほどおつに気どりました、うぬぼれの強い、ひとりよがりの男を、いまだかつて見たことがない。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
土浦つちうらからかれつかれたあしあとてゝ自分じぶんちからかぎあるいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
兄弟はしばらく一間ひとまうちに閉ぢ籠つて、謹慎の意を表して後、二人ふたりともひと知れずいへてた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かぜさへぎられてはげしくはあたらぬそらに、蜘蛛くもほゝにかゝるもわびしかりしが
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そうかい。そんなら、ぼくをとって、からすのおうかな。」といったのは、じゅうちゃんでした。
高い木とからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
お増は浅井に済まないような、ねて見せたいようななつかしい落着きのない心持で、急いで梯子段はしごだんをあがった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
真そこから泣き、笑い、怒り、怨み、ね、甘ったれ、しなだれかかり、おどし、すかし、あやなす事が出来るのであります。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
園をずればたけ高く肥えたる馬二頭立ちて、りガラス入りたる馬車に、三個みたり馬丁べっとう休らいたりき。
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「寒月というのは、あのガラスだまっている男かい。今の若さに気の毒な事だ。もう少し何かやる事がありそうなものだ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くようにえてゆくなめらかさが、秋草あきぐさうえにまでさかったその刹那せつな
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
すこはなれたかきしたにおつぎはひつけられたやうにうたがひのみはつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その丘にふさり、手でその軽い叢をきながら、遠い泉のしぶきの音に耳をかたむけている一人の女を描いた、淡彩風の短詩。
一方にその頃まだ鎮海ちんかい湾に居た水雷艇隊を動かしてもらって、南鮮沿海を櫛の歯でくように一掃してもらう事になった。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
っぱいような蚊の唸声うなりごえ夢現ゆめうつつのような彼女のいらいらしい心を責苛せめさいなむように耳についた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
――それ、弁持の甘き、月府のきさ、誰某たれそれと……久須利苦生の苦きに至るまで、目下、素人堅気輩には用なしだ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婦人たちのためには、セロファンで作った透明な袋があって、これを頭からかぶってやれば、髪は湯にれずにんだ。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さすればよしやおいとが芸者になつたにしたところで、こんなに悲惨みじめな目にはずともんだであらう。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
さあ、その烈しい労働をるからでも有ましょう、私の叔母でも、母親おふくろでも、強健つよ捷敏はしこい気象です。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そうしてこれが解からぬ内は、何をしても張り合いがないような気がして、誰に何と云われても何もる気になりませんでした。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
そして其側に四十近くのこれも丸髷に結つた、円顔の、色の稍〓黒い、朴訥ぼくとつさうな女が、長煙管で煙草をつて居た。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
それが明日あすからといふかれそののこつた煙草たばこほとんど一にちつゞけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何でも裡面の消息を抜くと、大抵は皮肉か憎まれ口になる。「新東京の裏面」の一篇もまたこの例に洩れない。
かの女は、人の眼に立たぬところで、河原柳の新枝の皮をいて、『自然』のの肌のやうな白い木地をんだ。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
加賀かが大野おほの根生ねぶはま歩行あるいたときは、川口かはぐちいたところ
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
右手は、あしの上に漁家の見える台地で、湖の他方の岐入と、湖水の唯一ゆいいつの吐け口のS川の根元とを分っている。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
旅人たびびとつゆわかてば、細瀧ほそだき心太ところてんたちまかれて、饂飩うどん
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
めたようなひょっとこ顔が馬鹿踊りに熱している。足拍子も口囃子くちばやしと一緒に、だんだん荒くなって来て、
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほどなく勘定奉行の地位を得、またほどなく財政の鍵を握って、陸海軍の事をぶるの地位に上ったのも、当然の人物経済であります。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
アラスの重罪裁判をべていたドゥーエーの控訴院判事は、かくも広くまた尊敬されてる彼の名を、世間の人と同じくよく知っていた。
それから何かを取りに行った隙をみて、趙は自分の用意して来た焼餅一枚を取り出して、皿にある焼餅一枚とり換えて置いた。
男を男とも思わず、他人ひとのふところの物さえ神技かみわざのようにりとるお綱に、こんな女らしいもだえがある。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかわし出家しゆつけで、ひと心配しんぱいけてはむまい。し、し。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さけいきほひつけられたばあさんなにかの穿鑿せんさくをせねばまないのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
またいはには、青紫あをむらさきのちしまぎきょう、いはぎきょう、はな白梅はくばい
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
大きな頭をいて見えるほど刈り込んで団子だんごぱなを顔の真中にかためて、座敷の隅の方にひかえている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
床の上には果物の皮や、煙草の吸殻なぞが一面に散らばっていて、妙な、えたような臭いを室中へやじゅうに漂わしている。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
象徴派風の表現が勢を得てから、「えやみ」(疫)だとか「すゆ」(ゆ)など言った辛い聯想れんそうを持った言葉が始終使われた。
詩語としての日本語 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
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