)” の例文
芝雀しじやくる、福助のるあの梅川が八十三の皺くちやばゞあになるまで生きながらへてゐた事を考へるのは、恋をする者にとつて良い教訓である。
姉娘をひとのないには困りました。源之助で不可いけず、門之助で不可、何分にも適当のひとが見当らないので、結局寿美蔵すみぞうに廻りましたが、本来は宗之助か秀調しゅうちょうという所でしょう。
「年は取つてもる事は小供ですつてね。何しろ虎一役ぢや遣り切れませんよ。」
(新字旧仮名) / 久米正雄(著)
千鳥座で金色夜叉をるという新俳優の、あれは貫一にる誰かだ、と立騒いだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
遣瀬やるせなげに、眉をせめて俯目ふしめになったと思うと、まだその上に——気障きざじゃありませんか、駈出かけだしの女形がハイカラ娘のるように——と洋傘かさを持った風采なりを自らあざわらった、その手巾ハンケチを顔に当てて
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)