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ふりがな文庫
“
凡
(
す
)” の例文
政宗の様子は
凡
(
す
)
べて長政に合点出来た。長政はそこで
上洛
(
じょうらく
)
する。政宗も手を
束
(
つか
)
ね居てはならぬから、秀吉の招喚に応じて上洛する。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
凡
(
す
)
べて
神聖
(
しんせい
)
な
物
(
もの
)
の
終
(
はて
)
は
悦
(
よろこび
)
に
在
(
あ
)
る。われらが
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
はこの
紅
(
あか
)
い
茨
(
いばら
)
の
上
(
うへ
)
に、このわが
口
(
くち
)
に、わが
貧
(
まづ
)
しい
言葉
(
ことば
)
にも
宿
(
やど
)
つていらせられる。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
女は芳野と云うその
界隈
(
かいわい
)
での物持の後家であった。あの印形屋の看板と同じように、
凡
(
す
)
べての謎は解かれて了った。私はそれきりその女を捨てた。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
凡
(
す
)
べてがゆうべの通りである、——瀕死の女の悲しげな呻き、紙を引裂くような奇妙な音、伊藤青年は総身に水を浴びたように、慄然として息をのんだ。
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
火山の中は
凡
(
す
)
べてが「大きな単純」であるから、注意して観察すれば、風の描いた紋も解るのである、もっともこういう現象は、火山とのみ限られることではないが
日本山岳景の特色
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
逭
(
の
)
がれよ、こゝに
萬物
(
ばんぶつ
)
は、
凡
(
す
)
べて
虚
(
うつろ
)
ぞ、日は
燬
(
や
)
かむ。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
下町の
粋
(
いき
)
と云われる茶屋の板前に感心して見たり、
仁左衛門
(
にざえもん
)
や
鴈治郎
(
がんじろう
)
の技巧を賞美したり、
凡
(
す
)
べて在り来たりの都会の歓楽を受け入れるには、あまり心が
荒
(
すさ
)
んでいた。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
虻
(
あぶ
)
のブンブン
呻
(
うな
)
るのを聞きながら、いい心持に眠くなってきた、
凡
(
す
)
べて生けるもの、動けるものの、肉から発する音響という音響を、一切断絶して、静の極となった空気の中で
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
それからメトラス博士と云うのは、あのヤンセン牧師と同じ、××国から廻されて来た軍事探偵で、常に要塞地帯の写真などを撮らせていたのですが、それらは
凡
(
す
)
べて今度抑えてしまいました。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
逭
(
の
)
がれよ、こゝに万物は、
凡
(
す
)
べて
虚
(
うつろ
)
ぞ、日は
燬
(
や
)
かむ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
一つ入れますで。——但シ、下名ノ保管スル証書ガ虚構ノ事実ニ
基
(
もとづ
)
ケルモノナル時ハ
凡
(
す
)
ベテノ約束ヲ無効トス、——なあ、こない書いといても差支いあれしませんやろ?
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
凡
(
す
)
べてのカアル
皆然
(
しか
)
りとは言われないが、カアルの初期は、雪が横一文字に
堆
(
うずたか
)
くなっているに過ぎないが、その両端の垂下力が遅く、中央が速いためか、第二期には三日月形に歪み
高山の雪
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
人生れ、人いの眠り、つま恋ふる
凡
(
す
)
べてこゝなり
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
これは
凡
(
す
)
べてあっと云う間の出来事だった。
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
もうその時分の夫いうたら
凡
(
す
)
べての運命に従順になってしもてて、自分が第二の綿貫にさされること拒まんばっかりか、かいってそれ幸福に感じてるらしいて、薬飲むのんも
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
鉄物
(
かなもの
)
は、
凡
(
す
)
べて包むことにした、雨は小止みになったり、また大降りになったりする、大降りのときは、油紙の天幕の中央が、天水桶のように深くなって、U字形に雨水の重味で垂れ下る
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
そして
凡
(
す
)
べてが
森閑
(
しん
)
と鎮まりかえった。
流血船西へ行く
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
顔面の
凡
(
す
)
べての道具が単に物を見たり、
嗅
(
か
)
いだり、聞いたり、語ったりする機関としては、あまりに余情に富み過ぎて、人間の顔と云うよりも、男の心を誘惑する甘味ある
餌食
(
えじき
)
であった。
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
“凡”の解説
凡(ぼん)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
凡
常用漢字
中学
部首:⼏
3画
“凡”を含む語句
大凡
凡人
凡百
凡庸
凡夫
凡河内
平凡
凡下
凡兆
凡慮
凡俗
凡情
凡物
凡々
凡有
凡川内
超凡
凡下放埒
凡事
非凡
...