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統
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ふりがな文庫
“
統
(
す
)” の例文
DS の昼と悪魔の夜と
交々
(
こもごも
)
この世を
統
(
す
)
べん事、あるべからずとは云い難し。されどわれら悪魔の
族
(
やから
)
はその
性
(
さが
)
悪なれど、善を忘れず。
るしへる
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし、
駆黴剤
(
くばいざい
)
の
浸染
(
しみ
)
はかくし
了
(
おお
)
せぬ素姓をいう……、いまこの暗黒街を
統
(
す
)
べる大
顔役
(
ボス
)
二人が、折竹になに事を切りだすのだろう。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ほどなく勘定奉行の地位を得、またほどなく財政の鍵を握って、陸海軍の事を
統
(
す
)
ぶるの地位に上ったのも、当然の人物経済であります。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
アラスの重罪裁判を
統
(
す
)
べていたドゥーエーの控訴院判事は、かくも広くまた尊敬されてる彼の名を、世間の人と同じくよく知っていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「すでに、おのれに
敗
(
やぶ
)
れている者が、何で外に勝てるものか。いわんや、世を
統
(
す
)
べて、まとめ上げることなどができるわけはあるまい」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
警察署長が三つの消防組を
統
(
す
)
べて各々の組長が号令をするのだった。号令につれて消防手の
竿
(
さお
)
は右向き左向き縦隊横隊を繰り返すのだった。
或る部落の五つの話
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
御二方が
統
(
す
)
べ給うておられた天平のみ代は、云うまでもなく我が民族の生命力が思いきって開花
爛熟
(
らんじゅく
)
したような時代であった。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
前文中には「マルヅック神は民を
統
(
す
)
べ国を救わんがために朕を降せり、依って朕は国中に法を立て正義を行い、もって人民の幸福を増進せり」
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
内には政府の分裂し外には諸外国に侮らるる国歩
艱難
(
かんなん
)
の時に当たって、万民を
統
(
す
)
べさせらるる帝に同情を寄せ奉るものの多い証拠であろうと。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あなたは日野城の
主
(
あるじ
)
のお子だ、やがては父君に代わって軍を
統
(
す
)
べ、国を治める大任がある。それを忘れてはいけません」
蒲生鶴千代
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
啻
(
ただ
)
に学堂教務を
統
(
す
)
ぶるのみならず学堂出身者の任命の
詮衡
(
せんこう
)
及び進退
黜陟
(
ちゅっちょく
)
等総てを委任するという重い権限で監督に任じた。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
で、カムツァンにはそれぞれカムツァンの財産がありますが、それらを纒め一つに
統
(
す
)
べたものをセラと言って居るのです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そして深くその感覚を
統
(
す
)
べてゆくと、どうも魚といふものは千古の美人であつて、古書や古画の中のまぼろしでもなく
魚美人
(新字旧仮名)
/
佐藤惣之助
(著)
なんでもないのにさういふ雨垂れ落ちを古くとり
統
(
す
)
べた心が、細かいところはどこまでも微かく行つた茶庭の
精神
(
こころ
)
を、しぶさ以上のしぶさで感じた。
故郷を辞す
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
が、その裡に、衆僧が一斉に始めた読経の朗々たる声は、皆の心持を死者に対する敬虔な哀悼に引き
統
(
す
)
べてしまつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
人の
上
(
かみ
)
に立つて多くの部下を
統
(
す
)
べてゐる者は、かうして、
他
(
ひと
)
の忠言を黙つて聞くだけの心掛が無くてはならぬ。だが、都合の
好
(
い
)
い事には、今時の上役は
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
秋津洲
(
あきつしま
)
・
磯城島
(
しきしま
)
と
倭
(
やまと
)
、みな大和平原における大きな村の名であった。他の村々の君主も、大体において、おなじような信仰組織を持って、村を
統
(
す
)
べていた。
最古日本の女性生活の根柢
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
そこで松竹梅をそれに配しますと、松が裸子植物の代表、竹が単子葉類の代表、梅が双子葉類の代表という事になって、つまり植物の三界を
統
(
す
)
べる事になります。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
燕の
勢
(
いきおい
)
漸
(
ようや
)
く大なるに及びて、諸将観望するもの多し。
乃
(
すなわ
)
ち
淮南
(
わいなん
)
の民を募り、軍士を
合
(
がっ
)
して四十万と号し、殷に命じて之を
統
(
す
)
べて、
淮上
(
わいじょう
)
に
駐
(
とど
)
まり、燕師を
扼
(
やく
)
せしむ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「もののふの
大臣
(
おほまへつぎみ
)
」は軍を
統
(
す
)
べる将軍のことで、続紀に、和銅二年に
蝦夷
(
えみし
)
を討った将軍は、
巨勢麿
(
こせのまろ
)
、
佐伯石湯
(
さへきのいわゆ
)
だから、御製の将軍もこの二人だろうといわれている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
旧
(
ふる
)
き代の
富貴
(
ふうき
)
、
栄耀
(
えよう
)
の日ごとに
毀
(
こぼ
)
たれ焼かれて参るのを見るにつけ、
一掬
(
いっきく
)
哀惜の涙を
禁
(
とど
)
めえぬそのひまには、おのずからこの
無慚
(
むざん
)
な乱れを
統
(
す
)
べる底の力が見きわめたい
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
百 人間の身にこそ長い年代であれ、一切の因果を
統
(
す
)
べ給う
大御
(
おおみ
)
力に取りては数日の様なものだ。
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
まことにどういふ言葉を用ゐてこのおほらかに高く、清らかに美しく、天地にたゞ獨り聳えて四方の山河を
統
(
す
)
ぶるに似た偉大な山嶽を讚めたゝふることが出來るであらう。
樹木とその葉:30 駿河湾一帯の風光
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
逍遙子が鴎外若しシエクスピイヤの千魂萬魂を一つに
統
(
す
)
べたるものを見出さば、おのれこれを歐羅巴に吹聽して呉れんずといはるゝは、あはれめでたき
厚誼
(
かうぎ
)
なるものから
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其名
独逸
(
ドイツ
)
建国の歴史を
統
(
す
)
ぶる巨人ビスマルクの如きに候ふ
可
(
べ
)
く、普仏戦争に際して、非常の声誉と、莫大の償金と、アルサス、ローレンスと、烈火の如き仏人の怨恨とを
担
(
にな
)
ふて
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それはこの学校を何よりも美しく見せ、此町のあらゆる
家並
(
やな
)
みを
統
(
す
)
べてゐる中心であつた。そして或意味でそこの校長である父の誇りでもあり、そこへ通ふ生徒の憧憬の的でもあつた。
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
さあそうなると、このたびは武力を有するものが一番
躍出
(
おどりだ
)
してこれを鎮定するということになって、
奈破翁
(
ナポレオン
)
がついに一手にこれを
統
(
す
)
ぶるということになったのである。仏国にして既に
然
(
しか
)
りだ。
日支親善策如何:――我輩の日支親善論
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
されどかしこにて
特
(
こと
)
に
危險
(
あやふき
)
を顧みざるは船手を
統
(
す
)
ぶる人々なるべし
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
世界を
統
(
す
)
べる一つの意志の王国が出現する、ということだけだ。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ある時はヘーゲルが如萬有をわが體系に
統
(
す
)
べんともせし
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
一体この世界を奥の奥で
統
(
す
)
べているのは何か。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
ひとつに
統
(
す
)
ぶる
力
(
ちから
)
はないか
秋の瞳
(新字旧仮名)
/
八木重吉
(著)
口づけさせて、取り
統
(
す
)
べよ。
騎士と姫
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
凡
(
すべ
)
てを
統
(
す
)
べ導くものは
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
乱世だ、乱調子の世だ、これを
撓
(
た
)
め
統
(
す
)
べるには、多少自分たちに
辛
(
つら
)
くてもよい、厳格
峻烈
(
しゅんれつ
)
に臨まれてもいい。——その代りに
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同時に又百般の人事を
統
(
す
)
べる「偶然」の存在も認めるものである。が、あらゆる熱情は理性の存在を忘れ易い。「偶然」は云はば神意である。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
おそらく闘争は神代よりあった、上御一人をして
万
(
よろ
)
ずの
族
(
やから
)
を
統
(
す
)
べさせたもうことは神の大御心の測りがたいところではあるまいか、ともある。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
が、その
裡
(
うち
)
に、衆僧が一斉に始めた
読経
(
どきょう
)
の朗々たる声は、皆の心持を死者に対する
敬虔
(
けいけん
)
な
哀悼
(
あいとう
)
に引き
統
(
す
)
べてしまった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
枢機官フェーシュが辞職することを拒んだので、アマジーの大司教ド・パン氏はリオンの管轄区を
統
(
す
)
べていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
旧
(
ふる
)
き代の
富貴
(
ふうき
)
、
栄耀
(
えよう
)
の日ごとに
毀
(
こぼ
)
たれ焼かれて参るのを見るにつけ、
一掬
(
いっきく
)
哀惜の涙を
禁
(
とど
)
めえぬそのひまには、おのづからこの
無慚
(
むざん
)
な乱れを
統
(
す
)
べる底の力が見きはめたい
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
大王の将士も、亦疲れずといわんや。それ大王の
統
(
す
)
べたもう将士も、大約三十万には過ぎざらん。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
大正十一年七月で先生の
統
(
す
)
べられておられる成蹊高等女学校の生徒に野州の日光山で植物採集を指導することを依嘱せられ、同先生其他同校職員の方々と共に同山に赴いた時
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
まことに、どういふ言葉を用ゐてこのおほらかに高く、清らかに美しく、天地にたゞ獨り寂しく聳えて四方の山河を
統
(
す
)
ぶるに似た偉大な山嶽を讚めたゝふることが出來るであらう。
樹木とその葉:06 四辺の山より富士を仰ぐ記
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
その海岸の広場にある王宮といっても、簡易な三層の
漆喰建
(
しっくいだて
)
であるが、ともあれ、オーマンを
統
(
す
)
べる大元首のいますところ。花火、水晶の
燭架
(
キャンドル
)
眼眩
(
まばゆ
)
いなかに、今宵の客人がいと静かに参上する。
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
国外交通の隆盛、国富の
膨脹
(
ぼうちょう
)
、各氏族の強大、あるいは人口増殖等によって国力は充実するとともに、
由緒
(
ゆいしょ
)
ある氏族ならびに諸民の思想と生活を
統
(
す
)
べることは容易ならぬ困難を伴ったであろう。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
「関東のしめしを
統
(
す
)
べる管領たるわたくしに、その力がなく、四隣御多事のなかを、遠く御援軍を仰ぎ、
恐縮
(
きょうしゅく
)
にたえませぬ」
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
検事は求刑するためにそこにいることを忘れ、裁判長は裁判を
統
(
す
)
べるためにそこにいることを忘れ、弁護士は弁護するためにそこにいることを忘れていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
景隆は
是
(
かく
)
の如き人の長子にして、其父の
蓋世
(
がいせい
)
の武勲と、帝室の
親眷
(
しんけん
)
との関係よりして、斉黄の薦むるところ、建文の任ずるところとなりて、五十万の大軍を
統
(
す
)
ぶるには至りしなり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
主権
簒奪
(
さんだつ
)
の武将が兵馬を
統
(
す
)
べ、政事上の力は一切その手にゆだねられていた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わたしはこれを修正すべき理智の存在を否みはしない。同時に又百般の人事を
統
(
す
)
べる「偶然」の存在も認めるものである。が、あらゆる熱情は理性の存在を忘れ易い。「偶然」は云わば神意である。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“統”の意味
《名詞》
(とう)代々受け継がれて一続きになっているもの。
(とう)地質時代区分の世の期間に形成された地層や岩体。例えば、中新世の地層は中新統という。
(出典:Wiktionary)
統
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
“統”を含む語句
血統
大統領
系統
統御
一統
皇統
統一
統領
統治
本統
神皇正統記
御統
正統
武田義統
持統天皇
持統
大清一統志
但馬守胤統
伝統
統一労働総同盟
...