)” の例文
しかしそれは、にごるべき所とむべき所が語によって古今の違いがあるので、今我々が濁って読む語でも昔の人は清んで読んでおった。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
春は俗を狂せしむるによけれど、秋の士を高うするにかず。花の人を酔はしむると月の人をましむるとは、おのづからあじはひを異にするものあり。
秋窓雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
かみもおはしまさば我家わがやのきとゞまりて御覽ごらんぜよ、ほとけもあらば此手元このてもとちかよりても御覽ごらんぜよ、こゝろめるかにごれるか。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
盛りと見ゆる世もいづれ衰ふる時はあり、末は濁りてもれぬ源には、流れも何時いつまんずるぞ。言葉のむねはかり得しか
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
戀愛の情は一たび淨まれば即ち神にむかひて燃ゆる愛の火となる、クニッツァ改悔によりて濁れる愛をめる愛に變じ、自らその救はるゝにいたれるを喜ぶなり
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こよひ五三不思議にもここに一夜をかりたてまつる事、五四一世ならぬ善縁ぜんえんなり。なんぢわかきとてゆめ信心しんじんおこたるべからずと、五五ささやかにかたるもみて心ぼそし。
玉川に遠いのがいつも繰り返えされる失望であったが、井水がんだのでいさゝか慰めた。農家は毎夜風呂を立てる。彼等も成る可く立てた。最初寒い内は土間に立てた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
コロムビアのナットは気のんだフランス風のリアリズムが特色である(J八二七九—八二)。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
ふけ行くまゝに霜冴えて石床せきしやういよ/\冷やかに、万籟ばんらい死して落葉さへ動かねば、自然おのづしん魂魄たましひも氷るが如き心地して何とはなしに物凄まじく、尚御経を細〻と誦しつゞくるに
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
看護婦さんは行儀の正しい無口な女で、物を言へば薄い銀線の触れ合ふ様なんだ声で明確はつきりと語尾を言ふ。感情を顔に出さずに意志の堅固さうな所は山口県生れの女などによく見る型である。
産褥の記 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
旅らしい心持で、その細いんだ音に耳を澄ましながら、岸本は窓に向いた机のところで小さな朝飯の盆にむかった。それを済ました時分に、女中が来てコンコンと軽く部屋の戸をたたく音をさせた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ロダン夫人は晶子と手を握りながら、調子の低いんだ声で
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
唐寺の日なかの照りに物思ものもはずきほひし夏は眼もみにけり
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
博士はカツとんで訓んでいる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
気のむ野辺にわれは呼吸いきせむ
かつてはみしわがいのち
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
行末ゆくすえ久しくむとかや。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こゝに於て、凡ての声、情及び心の響なる凡ての声の一致を見る、高きも低きも、濁れるもめるも。然り、此の一致あり、この一致を観て後に多くの不一致を観ず、之れ詩人なり。
万物の声と詩人 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
または日ざし麗らかに天める秋の朝なんど、あるいは黒〻と聳え、あるいは白妙に晴れたるを望む景色いと神〻こうごうしくして、さすがに少時しばし塵埃じんあいの舞ふ都の中にあるをすら忘れしむ。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
五五ぬば玉の夜中よなかかたにやどる月は、五六鏡の山の峯にみて、五七八十やそみなと八十隈やそくまもなくておもしろ。五八沖津嶋山、五九竹生嶋ちくぶしま、波に六〇うつろふ六一あけかきこそおどろかるれ。
観世音像千手の指のことごとにまなこしにきみかがやかに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ものおやさしい、んだ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
みてかなしききらめきを
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
行末ゆくすえひさしくむとかや。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さはやかにめる
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
小石だもはらひし三五福田ふくでんながら、さすがにここは寺院遠く、三六陀羅尼だらに三七鈴錫れいしやくこゑも聞えず。立は三八雲をしのぎてみさび、三九道にさかふ水の音ほそぼそとみわたりて物がなしき。
咲きしだり匂みゐる雪柳ただ白してふものにあらなくに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みてかなしききらめきを
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
爽かにめる
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
まず、さや
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まず、さや
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)