九月中旬のある晴れた日の午後。 芝新網にある紀州家の浜屋敷の門前へ、一人の旅装の若者が来て立った。長い旅をつづけて来たものとみえ、肩へかけた旅嚢も、着ている物も、すべて汗じみ、埃まみれであるが、笠をぬいだところを見ると、いま洗面したばかりの …
| 著者 | 山本周五郎 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 「四国新聞」1952(昭和27)年12月12日~1953(昭和28)年7月13日 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約8時間15分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約13時間45分(300文字/分) |