“嬌態”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しな51.4%
きょうたい40.5%
けうたい4.1%
あま1.4%
びたい1.4%
コケットリー1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金縁の目金めがねを掛けたる五ツ紋の年少わか紳士、襟を正しゅうして第三区の店頭みせさきに立ちて、肱座ひじつきに眼を着くれば、照子すかさず嬌態しなをして
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みんなほっと上気して眼を潤ませて、起ち居それぞれに嬌態きょうたいすいを見せるという次第だから、若さまの御満悦は断わるまでもなかろう。
若殿女難記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それから毎日夕方になると、必ず混血児あひのこの女は向うの窓の前へ立つて、下品な嬌態けうたいをつくりながら、慇懃いんぎんにおれへ会釈ゑしやくをする。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
こうの先生、上杉さんは、その様子じゃ大分一雪女史が贔屓ひいきらしい。あの容色きりょうで、しんなりと肩で嬌態あまえて、机のそばよ。先生が二階の時なぞは、令夫人ややおだやかならずというんじゃないかな。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
欧風化された女の嬌態びたい、近世のパーシ女に袖を引かれて茶店に出入するのですが、私達日本の男子で印度のフラッパ女に靴の紐など結ぶように命令されて
孟買挿話 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
永い間の交際つきあいでその道の恐るべき嬌態コケットリーもすっかり上手になっていて、悪行ではねえさんたちと肩を並べようという激しい野心に燃えているのなど、また
群集の人 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)