“嬌然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうぜん80.0%
にっこり20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
がさつな、だらしない風をした沢山の文人のなかに、そういう麻川氏を見て葉子はこころにすがすがしく思いながら、ふと、麻川氏の傍に嬌然きょうぜんとして居るX夫人を見出した。
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あれから幾日かって、広東服のお光さんはまた、嬌然きょうぜんと宝石を噛んでいるような明るい歯をまして、屋上の時計塔が、薄暮の空に午後四時の指針を示している柳田商会の店へはいって来た。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嬌然にっこり笑っているいやらしい笑い方が、だんだんとお絹の面になってくると、肉体そのものまでが異人ではない、明暮あけくれ自分のそばにいるあの模範的の淫婦娼婦だ。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)