嬌然きょうぜん)” の例文
がさつな、だらしない風をした沢山の文人のなかに、そういう麻川氏を見て葉子はこころにすがすがしく思いながら、ふと、麻川氏の傍に嬌然きょうぜんとして居るX夫人を見出した。
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あれから幾日かって、広東服のお光さんはまた、嬌然きょうぜんと宝石を噛んでいるような明るい歯をまして、屋上の時計塔が、薄暮の空に午後四時の指針を示している柳田商会の店へはいって来た。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嬌然きょうぜんと笑った。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ええ、しょっちゅう」と娘はまた普通に答えて、次にこの芸妓の口から出す言葉をほぼ予測したらしく、面白そうに嬌然きょうぜんと笑ってこんどは娘の方から芸妓の言葉を待受けた。芸妓は果して
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)