“きょうぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
饗膳50.0%
嬌然16.7%
跫然12.5%
供膳4.2%
嗛然4.2%
恟然4.2%
糾然4.2%
胸前4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又ずっと後の寛永初年(五年)三月十二日、徳川二代将軍秀忠が政宗の藩邸に臨んだ時、政宗が自ら饗膳きょうぜんを呈した。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あれから幾日かって、広東服のお光さんはまた、嬌然きょうぜんと宝石を噛んでいるような明るい歯をまして、屋上の時計塔が、薄暮の空に午後四時の指針を示している柳田商会の店へはいって来た。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忽爾こつじ跫然きょうぜんとして廊下の端に、殺気を帯びて、人影あらわる、近づくを見れば小浜照子。影を隠して秀はひそみぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
兵部卿の宮の夫人も誦経ずきょうの寄付をし、七僧への供膳きょうぜんの物を贈った。
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
尊著ヲ得テ一読シトミニ二じゅノ体ニアルヲ忘ル。今渡辺生ニ托シテコレヲ還ス。然レドモわずかニ半部ヲ閲スルノミ。蔗境しゃきょうイマダ尽サズ。殊ニ嗛然きょうぜんタルヲ覚ユ。更ニ後巻ヲ送致セヨ。至望至望。壬戌ノ春。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
客も主じも家娘も家妻も酒と博賭ばくちの好きな息子たちも、茫然、瞠然どうぜん愕然がくぜん恟然きょうぜんとして声も出ない。八百助は「村の方がた」と静かに云った
その間に西洋の企業家、もしくは資本家、それもことごとく純粋の資本家か、但しはただの鞘取さやとりかは知らぬけれども、それらの徒が雑然糾然きょうぜんとして縦横無尽に働いている。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
鬢毛びんもうが薄くてひげが濃いので、少女はあごを頭とたのである。優はこの容貌で洋服をけ、時計の金鎖きんぐさり胸前きょうぜんに垂れていた。女主人が立派だといったはずである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)