“愕然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がくぜん90.4%
ぎょっ4.6%
びつくり2.1%
ぎよつ1.3%
がくっ0.4%
あっ0.4%
おびえ0.4%
ぎょつ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここでは、必ず、数寄屋の外に立っているはずの藪田助八も、ふと、その様子を見て、愕然がくぜんと、越前守のうしろまでびこんで来た。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
入口の左右にある六弁形の壁燈を見やりながら、法水が拱廊の中に入ろうとした時、何を見たのか愕然ぎょっとしたように立ち止った。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
愕然びつくりし山水をすてて此娘を視るに一揖おじぎしてり、もとの草にしてあしをなげだし、きせるの火をうつしてむすめ三人ひとしく吹烟たばこのむ
左仲が煙管きせるもと差出さしいだすにぞ左仲は愕然ぎよつとなし思はずふるへ出せし體を見るより彼の者は莞爾につこと笑ひ左仲が側へ同じくこし打掛うちかけ旅人りよじんは何等のようにてかく夜道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それを知って、僕は思わず愕然がくっとしたのだ。では何故なぜかと云うと、どこかに、建物の中から広がってくる、噪音を遮断したものがなけりゃならない。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
一同は愕然あっと驚いた。最もおどろいた——或いはそう見えた——のが為吉であった。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
女はみなといひてうつぶして愕然おびえまどひ、男はみな立あがりておどろきけり。
「実は、飛んだ罪な悪戯いたずらをした奴がおりましてな。」不意を喰って愕然ぎょつと振向いたかたちのままで、ルキーンは割合平然と答えた。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)