愕然びつくり)” の例文
愕然びつくりし山水をすてて此娘を視るに一揖おじぎしてり、もとの草にしてあしをなげだし、きせるの火をうつしてむすめ三人ひとしく吹烟たばこのむ
懸けければ此方は彌々いよ/\愕然びつくりし急に顏色がんしよく蒼醒あをざめ後の方を振返るにそれ召捕めしとれと云間も有ず數十人の捕手ふすまかげより走り出なんなく高手たかて小手になは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
愕然びつくりし乍ら星明ほしあかりで透して見たが、外套を著て頭巾を目深に被つた中脊の男、どうやら先刻さつき畷で逢つた奴に似て居る。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
愕然びつくりし山水をすてて此娘を視るに一揖おじぎしてり、もとの草にしてあしをなげだし、きせるの火をうつしてむすめ三人ひとしく吹烟たばこのむ
愕然びつくりし乍ら星明ほしあかりすかして見たが、外套を着て頭巾を目深に被つた中脊の男、どうやら先刻さつき畷で逢つた奴に似て居る。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
四面しめんみな山にて老樹らうじゆ欝然うつぜんとして翳塞おほひふさぐなかこの美人びじんを見ること愕然びつくりし、是たぬきにあらずんばかならず狐ならんといひければ、岩居がんきよともだちと相顧あひかへりみうつわらふ。
四面しめんみな山にて老樹らうじゆ欝然うつぜんとして翳塞おほひふさぐなかこの美人びじんを見ること愕然びつくりし、是たぬきにあらずんばかならず狐ならんといひければ、岩居がんきよともだちと相顧あひかへりみうつわらふ。
愕然びつくりしてむねさけるやう也しがにげるに道なく、とても命のきはなりしぬいきるも神仏にまかすべしと覚悟かくごをきはめ、いかに熊どのわしたきゞとりに来り谷へおちたるもの也、かへるには道がなくいきをるにはくひ物がなし