“胸前”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むなさき72.7%
むなまえ9.1%
きょうぜん9.1%
ムナサキ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちええ、面倒だ。と剣をふるい、胸前むなさき目懸けて突込みしが、心きたる手元狂いて、肩先ぐざと突通せば、きゃッと魂消たまぎる下枝の声。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いいや。いらぬ。その代りちと変った供をつれて参ろう。土蔵へ行けばある筈じゃ。馬の胸前むなまえ持って参って、駕籠につけい」
鬢毛びんもうが薄くてひげが濃いので、少女はあごを頭とたのである。優はこの容貌で洋服をけ、時計の金鎖きんぐさり胸前きょうぜんに垂れていた。女主人が立派だといったはずである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
又謂はゞ、通常称する所の鴨神の其父神大国主、更に其父神すさのをにも、共通する部分がある。即、妣の国を慕ひ哭く荒神の慟哭の描写は、「八拳ヤツカ胸前ムナサキに垂れ云々」
唱導文芸序説 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)