“胸騒”のいろいろな読み方と例文
旧字:胸騷
読み方割合
むなさわ63.2%
むなさわぎ15.8%
むなざ10.5%
むなさ5.3%
むなざい5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて引金ひきがねを引きたれども火うつらず。胸騒むなさわぎして銃を検せしに、筒口つつぐちより手元てもとのところまでいつのまにかことごとく土をつめてありたり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そうすりゃお蝶の方も、もうあれッきり、ふッつり切れた、私はこう孤島はなれじまに独り残されたようで心細い、胸騒むなさわぎのするのはそのために違いないんです、お可愧はずかしいね
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「と、なっては一大事」として、尊氏もそこで介を待つ間は、吉か凶かに、肋骨あばらもいたむような胸騒むなざいをいだいていたにちがいなかった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここは自身の城下だけに、ここで鎌倉の使節が待ちうけていたなどは、いい辻占つじうらではない。ひょっとしたら、自分への切腹申し渡しかとさえ、いやな胸騒むなざいに慌てたのだった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)