“胸高”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むなだか88.2%
むなたか11.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男世帯なる篠田家に在りての玄関番たり、大宰相たり、大膳太夫だいぜんのたいふたる書生の大和おほわ一郎が、白の前垂を胸高むなだかに結びて、今しも朝餐あさげの後始末なるに
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
私の穿いていた藍縞仙台平あいじませんだいひら夏袴なつばかまは死んだ父親の形見でいかほど胸高むなだかめてもとかくずるずると尻下しりさがりに引摺ひきずって来る。
と、洗い髪をそのまま、チョンピンにして、白い大幅のリボンを、額の上へ、大きな蝶のように結んで、紫のはかま胸高むなたか穿いている錦子をじっと見て
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
されど狼狽うろたへたりと見られんは口惜くちをしとやうに、にはかにその手を胸高むなたかこまぬきて、動かざること山の如しと打控うちひかへたるさまも、おのづからわざとらしくて、また見好みよげにはあらざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)