胸騒むなさわぎ)” の例文
旧字:胸騷
そうすりゃお蝶の方も、もうあれッきり、ふッつり切れた、私はこう孤島はなれじまに独り残されたようで心細い、胸騒むなさわぎのするのはそのために違いないんです、お可愧はずかしいね
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
胸騒むなさわぎがしながら歩行あるいたけれども、不思議なものはの根にも出会でっくわさない、ただのこはれ/″\の停車場ステエションのあとへ来た時、雨露あめつゆさらされた十字の里程標りていひょうが、枯草かれくさの中に、横になつて居るのを見て
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
学士は胸騒むなさわぎがして、瑞林寺のその寓居ぐうきょに胸をおさえて坐するに忍びず、常にさる時はいて時を消すのが例であった湯島から、谷中に帰るみちの暗がりで、唐突だしぬけに手を捕えたのは一名の年若き警官である。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と取越苦労の胸騒むなさわぎがしたのであった。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
胸騒むなさわぎッていうんでしょう。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)