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胸騒
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むなさわ
ふりがな文庫
“
胸騒
(
むなさわ
)” の例文
旧字:
胸騷
さて
引金
(
ひきがね
)
を引きたれども火
移
(
うつ
)
らず。
胸騒
(
むなさわ
)
ぎして銃を検せしに、
筒口
(
つつぐち
)
より
手元
(
てもと
)
のところまでいつのまにかことごとく土をつめてありたり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
場長
(
じょうちょう
)
が
同僚
(
どうりょう
)
と話をしているのに、声が
低
(
ひく
)
くてよく聞きとれないと、
胸騒
(
むなさわ
)
ぎがする。そのかんにも
昨夜
(
さくや
)
考えたことをきれぎれに思いださずにはいられない。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
康頼 (
沖
(
おき
)
を眺める)この島に来るのなら! (考える)来るかもしれないぞ。わしは昨夜から不思議に
胸騒
(
むなさわ
)
ぎがしていたのだ。何か大きな幸福が来るような……
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
お綱は、今の
動悸
(
どうき
)
の消えないうちに、またあわただしい
胸騒
(
むなさわ
)
ぎを重ねた。けれど、それは前の不愉快な驚きではなく、あまり不意に与えられた喜びの
狼狽
(
ろうばい
)
であった。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お沢 いいえ、いいえ……
昨夜
(
ゆうべ
)
までは、打ったままで置きました。
私
(
わたし
)
がちょっとでも立離れます
間
(
ま
)
に——今日はまたどうした事でございますか、
胸騒
(
むなさわ
)
ぎがしますまで。……
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
姉のエルネスチイヌは、母親のために侮辱を感じ、なんとなく
胸騒
(
むなさわ
)
ぎがしている。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
この恐ろしい
刹那
(
せつな
)
、総立ちになった数千の見物は、彼らの
胸騒
(
むなさわ
)
ぎに引きかえて、その表情は、
揃
(
そろ
)
いも揃った笑い顔であった。セルロイド製「レビュー仮面」のほがらかなえがおであった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
鶴吉は何んとなく
胸騒
(
むなさわ
)
ぎがして、お末の後から声をかけた。お末は外で
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
「うん。虫の知らせと言おうか。なんとなくこう
胸騒
(
むなさわ
)
ぎがしてならねえ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
とこなつの
花
(
はな
)
は、なんとなく
胸騒
(
むなさわ
)
ぎを
感
(
かん
)
じた。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
女は
一方
(
ひとかた
)
ならぬ
胸騒
(
むなさわ
)
ぎが、つつみきれないようすで、顔は耳まであかくなってるのが、自分にはいじらしくしてたまらなかった。自分もらちもなく
興奮
(
こうふん
)
して、じょうだん口一つきけない。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
この時もいたく
胸騒
(
むなさわ
)
ぎして、
平生
(
へいぜい
)
魔除
(
まよ
)
けとして
危急
(
ききゅう
)
の時のために用意したる
黄金
(
おうごん
)
の
丸
(
たま
)
を取り出し、これに
蓬
(
よもぎ
)
を巻きつけて打ち放したれど、鹿はなお動かず、あまり怪しければ近よりて見るに
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
『
胸騒
(
むなさわ
)
ぎがする』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
胸
常用漢字
小6
部首:⾁
10画
騒
常用漢字
中学
部首:⾺
18画
“胸”で始まる語句
胸
胸倉
胸襟
胸算用
胸毛
胸板
胸算
胸乳
胸高
胸裡