“肋骨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ろっこつ50.0%
あばら25.0%
あばらぼね20.6%
ろくこつ2.8%
ろつこつ1.1%
ほね0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
腹腔ふくこうのほうではもうずっと弱く消されていた。これは振動が固い肋骨ろっこつに伝わってそれが外側まで感ずるのではないかと思うのである。
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「ううっ……」と、仰むけにぶっ仆れたお十夜は、ひとつ、大きな波を肋骨あばらに打って、こんこんときでる黒血の中に断末をとげた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五ヵ月ぶりで一切経いっさいきょうの中から世間へ出た時の範宴はんえんのよろこびは、大きな知識と開悟とに満たされて、肋骨あばらぼねのふくらむほどであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飴色あめいろ暗紫色あんししよくをした肋骨ろくこつと手足の骨とが左右に一けん程の高さでぎつしりと積まれ、その横へ幾列にか目鼻のうつろに成つた髑髏どくろが掛けられて
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
わたしの肋骨ろつこつをこつこつとたたく
霙の中 (新字旧仮名) / 森川義信(著)
あばらを切り取る無気味の音が、ひとしきり部屋の中へ響いたが、やがて左右十本の肋骨ほねが、血にまみれながら、抜き取られた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)