“肋骨”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ろっこつ50.0%
あばら25.0%
あばらぼね20.2%
ろくこつ3.0%
ろつこつ1.2%
ほね0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
肋骨ろっこつのように、胸に黄色い筋のついた憲兵の服を着た父が、風琴を鳴らしながら「オイチニイ、オイチニイ」と坂になった町の方へ上って行った。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
持ち馴れた刀を手に寄せ、固く締めた帯と肋骨ろっこつのあいだへぎゅっと差し込むと、彼のふとした寂しさはもう強い意思の外へはじき出されていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村人のうちには、歯のかけた者、肋骨ろっこつの折れた者、こぶ青痣あおあざができた者があるばかりで、大した害も被っていなかった。
「と、なっては一大事」として、尊氏もそこで介を待つ間は、吉か凶かに、肋骨あばらもいたむような胸騒むなざいをいだいていたにちがいなかった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と妻木君は左の片肌を脱いで痩せた横腹を電燈の方へ向けた。その肋骨あばらから背中へかけて痛々しい鞭の瘢痕あとが薄赤く又薄黒く引き散らされていた。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
肋骨あばらへ、いきなり、匕首あいくちだった。彼がけて仰向けに倒れるのと、外の人間がかたまっておどりこんだのと、息一つの差がなかった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
射手たちはこのひッきりなしに襲ってくる水攻めに絶えず身をかがめ、犬も悲しげに尾を垂れて、肋骨あばらぼねのうえに毛をぺッたりくッつけていた。
寡婦 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
やっと信長のほうへ向って坐り得た官兵衛は、二つの穴のような眼から信長の姿を仰いで、同時に、がくと肋骨あばらぼねの下を折って、両手をつかえた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汝思へらく、己があぢはひのため全世界をしてあたひを拂はしめし女の美しき頬を造らんとて肋骨あばらぼねを拔きし胸にも 三七—三九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
逍遙子はまた世の批評家が二千餘年前に死せし人の肋骨ろくこつを息杖にして、アリストテレエスなどが言を引用ゐるを笑ひき。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そして、そこに並べられたのはジッドといふ作家の映像ではなくて、たゞの動物的な肋骨ろくこつの陰画であつた。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
心臟は強くせはしく私の肋骨ろくこつをうつた。
肋骨ろつこつ相摩あいするごときわらひして
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
わたしの肋骨ろつこつをこつこつとたたく
霙の中 (新字旧仮名) / 森川義信(著)
あばらを切り取る無気味の音が、ひとしきり部屋の中へ響いたが、やがて左右十本の肋骨ほねが、血にまみれながら、抜き取られた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)