“びっくり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吃驚82.4%
喫驚16.3%
仰天0.4%
叱驚0.2%
恟然0.2%
驚倒0.2%
驚愕0.2%
驚駭0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
汚れたジャケツは、吃驚びっくりして、三尺ほど空へとび上った。何事が起ったのか一分間ばかりジャケツが理解できないでいるさまが兵士達に見えた。
パルチザン・ウォルコフ (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
ト我知らず言ッて文三は我を怪んだ。何故虚言そらごとを言ッたか自分にも解りかねる。お勢は座に着きながら、さして吃驚びっくりした様子もなく、
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「莫迦野郎! 泣く奴があるか。啓坊はよく出来るンじゃないか。ええ? 元気を出して、一つ、うんと勉強して、皆を吃驚びっくりさせてやれよ……」
泣虫小僧 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
『お前が出抜だしぬけに入って来たので、私はだれかと思った。おゝ喫驚びっくりした。』とぐ床をしかして休んでしまいました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それを聞くと助五郎はくるりときびすを廻らして、元来た方へすたすた歩き出した。喫驚びっくりして後見送っている望月を振り返りもせずに——。
助五郎余罪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
喫驚びっくりして逃げてくるようでは話にならぬが、幸いに勇士等が承諾してこれを抱き取ると、だんだんと重くなってしまいには腕が抜けそうになる。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「ほんでもね、モセ嬶様。瘧だごったら、医者さかげる程のごどでもがすめえで、瘧ずもの、うんと仰天びっくりさせっと、直んぐに癒るもんだどみっしさ。」
(新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
いや、親分さんの前だがあっしも仰天びっくり敗亡はいぼうしやしてね、係合いにされちゃあ始まらねえから——。
いや、あとで、黄一郎親子が、マスクの裏に記された「弦三作げんぞうさく」のめいに気がついたなら、どのように叱驚びっくりすることだろうか。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところがこの立派な法王の宮殿を見て恟然びっくり呆気あっけに取られ、これは神の国の御殿ではないか知らんとしばらくはぽかんとして見惚みとれて居ったがふと気が付いて、はて驢馬はどこへ行ったか知らんとそのあたりを見ますと、かなたこなたに別れ別れになって居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
でも、この夜の「深夜の市長」の失踪も、実はあの四本指の男の刺殺事件と密接な関係があったことを後で知って、驚倒びっくりしたが、その夜はそこまで見透す力がなかった。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
時としては、何という理由わけもなく、急に癇癪が起りましてね……そんなときには大抵海岸か山の方へ転地しましたが、ちっとも効果ききめがありませんでした。それは子供の時分のことですが、この頃はまた、すこしの音響ものおとにも驚愕びっくりするくせが付き、そして明るい光線を見るのが非常な苦痛です。
誰? (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
私の吃驚びっくりかたがあんまりひどかったものでアダリーも驚駭びっくりしたらしい。両手を頭の上に差上げ差上げアヤツリ人形のように両膝を高く揚げながら駈け出して行った。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)