“寿”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
じゅ24.1%
ことぶき14.8%
いのち13.0%
ことほ11.1%
ひさ7.4%
ことぶ5.6%
じゆ3.7%
よわい3.7%
3.7%
いのちなが1.9%
(他:6)11.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“寿”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 伝記 > 日本12.5%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 年中行事・祭礼6.9%
文学 > 中国文学 > 小説 物語1.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
とうとうその一人の光明寺三郎夫人となったが、天は、その能ある才人に寿じゅをかさず、企図は総て空しいものとされてしまった。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
南側の男が手を出すと、北側の男が懐から帳面を出して渡した。南側の男はその帳面を繰った。趙顔の名が出て寿じゅ十九歳と書いてあるのが見えた。
北斗と南斗星 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
これによって考うれば、王朝時代から行われた「内火うちびとまりの寿ことぶき」という儀式と同じようなものであろうと言われる。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
元禄げんろくの昔に百年の寿ことぶきを保ったものは、明治のに三日住んだものよりも短命である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さっき県神けんじんから本司に上申してきたから、府君に呈したが、もう天庭に奏文して、寿いのち三紀みまわり延べて
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「皆人の寿いのちわれもみ吉野の滝の床磐とこはの常ならぬかも」(同・九二二)の二首とも比較することが出来る。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
新玉の年たちかえる初春の朝、大内山の翠松に瑞雲棚引き、聖寿万歳を寿ことほいで鶴も舞い出でよう和やかな日和。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「軍功を賞し、祝酒を給わるであろう。全軍の将兵も、弓を袋に収め、このよき新春を、寿ことほぎ合うがよい」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
振袖が襖の隙間から覗いたかと思うと、千満子、春子、信子、寿ひさ子の順に部屋にはいって来た。正月の晴着だった。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
母親のお寿ひさである。お茶をもってはいって来たのである。
四つの都 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
十蔵はわれを寿ことぶきて杯を飲み干しつ、片目一人、この船に加わりいることをかねて知りたまいしやと問う。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
小次郎法師は、寿ことぶくごとく、一揖いちゆうして、
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
冢不騫ちようふけん、名は寿じゆ、大塚氏、不騫は其あざな、信濃国奈賀郡なかごほり駒場駅こまばえきの人である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
冢はさきに霞亭がために梅を書幌しよくわうに画いた大塚寿じゆである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「これは万歳と申しまして、鶴は千年の寿よわいを延べ、亀は万年まんねんるとかや、それに則った万歳楽まんざいらく、ご覧なされい、ご覧なされい」
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ただ別離の心尽くし、寿よわいを延べる菊の酒、常陸殿一盞いっさん傾けられよ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
よる・よすのよで、であり、寿であり、である。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「……堅磐常磐カキハトキハイハひまつりて、いかし御世に栄えしめまつり、康治元年より始めて、天地日月と共に、照しアカらしましまさむことに、本末モトスヱ傾かず、いかしほこのナカり持ちて、仕へ奉る中臣祭主イハヒヌシ正四位上神祇大副大中臣清親寿詞をたゝへ、こと定めまつらくと申す。」
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
睡眠ねむりは覚めたろう。翼を鳴らせ、朝霜に、光あれ、力あれ、寿いのちながかれ、鷭よ。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この人に寿ことほぎあって、今すこし生きぬいたらば、自分から脱皮し、因襲をかなぐりすてて、大きな体得を、苦悩の解脱げだつを、あきらかに語ったかもしれないだろうに——
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「ヘエ、竹の皮包にして、お寿もじか何か持って来た様子です。お昼少し前でしたよ」
忽然、うす黒い瞼を落し、まだ三十六歳の若い寿としに終りを告げた。時、建安十五年の冬十二月三日であったという。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くしの神 常世トコヨイマす いはたゝす すくな御神ミカミの、神寿カムホキ 寿きくるほし、豊ほき 寿モトほし、まつりし御酒ぞ。
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
宮廷の新室寿きなる大殿祭オホトノホカヒ・鎮魂祭・新嘗祭などに来る異装人、又は、京都辺の大社、平野・松尾などの祭りに参加する山人なども、一つ者であつて、山の神人だ。
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
歌垣・嬥歌会カヾヒ・新室の寿ホカヒの唱和は、民間の歌謡の発達の常なる動力であつた。
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
それは神代での瓊々杵尊ににぎのみことの大和地方での御歌に、「これのハバカや、薄赤ウスホに白き、万家ヨロズヤに花咲くは、サキクに咲くらむ、寿ホキくにさくらむ、ウツし花かも、なりに、」というのがあってこの歌の中の咲くらむのさくらがその語原であろうとの事である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)