“いのち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イノチ
語句割合
生命68.6%
26.5%
2.7%
寿0.9%
0.2%
生活0.2%
性命0.1%
余命0.1%
壽命0.1%
此命0.1%
生気0.1%
祈雨0.1%
身命0.1%
露命0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
綽名の通りカンの強い彼は、脅迫おどしのために人をきずつける場合でも、決して生命いのちを取るようなヘマをやらないのを一つの誇りにしていた。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
なんだ、またこれをつてかへるほどなら、たれいのちがけにつて、這麼こんなものをこしらへやう。……たぶらかしやあがつたな! 山猫やまねこめ、きつねめ、野狸のだぬきめ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのほのかな温かみが——私自身のいのちの温かみのようなものが——子供の私にもなぜとも知れずにたのしかった。……
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
あの気違さんぢやどんなに寿いのちちぢめたか知れはしません。もうこれきり来なくなるやうに天尊様へお願ひ申しませう。はい、戴きませう。御酒ごしゆもおいしいものですね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そを見ればいのちけず
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
人の生活いのちたたかひ
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
いつまでも変らずにある真鍮しんちゆうの香炉、花立、燈明皿——そんな性命いのちの無い道具まで、何となく斯う寂寞じやくまく瞑想めいさうに耽つて居るやうで
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
追憶おもひでの林檎畠——昔若木であつたのも今は太い幹となつて、中には僅かに性命いのちを保つて居るやうな虫ばみ朽ちたのもある。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
其手じゃア往かねえ、何しろ一日でも早く来て、俺ッちの地獄の責苦を何とかして呉れなけりゃ、余命いのち幾何いくらもありゃしねえや
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
それともいまこれを此處におけ貴君あなたの三年の壽命いのちちゞめるがよいか、それでも今ぐにほしう御座るかな。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
やつぱり此が此命いのちに導く道だつた
道程 (旧字旧仮名) / 高村光太郎(著)
誰かこの一切すべてのものにりてエホバの手のこれを作りしなるを知らざらんや。一切すべて生物いきもの生気いのち及び一切すべての人の霊魂たましい共に彼の手の中にあり
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
何んと謂ふ赤顔童子の祈雨いのちの火遊びが点じられてあるか
街のシルヱット (新字旧仮名) / 山口芳光(著)
然れどもおなじきことなることを別たずして、倶に天皇のみことのりままに、相たすけてさかふること無からむ。し今より以後のちちかひの如くならずば、身命いのちほろび、子孫うみのこ絶えむ。忘れじあやまたじ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
毎日此処これへ参りましては人様のお袖へ縋っていさゝかの御合力ごごうりょくを受けまして親子の者が露命いのちつないで居る者でございます、けれ共今晩斯様かように風が吹きますので薩張さっぱり人通りがございませんから
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)