“せい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セイ
語句割合
所為10.3%
故8.1%
背7.7%
精7.7%
生6.8%
丈6.4%
勢6.0%
清4.4%
脊4.3%
身長3.8%
性3.2%
斉3.1%
制3.0%
背丈3.0%
姓2.4%
製2.3%
聖1.8%
正1.7%
声1.6%
齊1.3%
身丈1.2%
青0.6%
聲0.6%
省0.6%
成0.6%
政0.5%
世0.5%
西0.5%
星0.4%
静0.4%
所爲0.4%
誠0.3%
征0.3%
掣0.3%
故為0.3%
為0.3%
脊丈0.3%
靜0.2%
凄0.2%
所以0.2%
故意0.2%
甥0.2%
睛0.2%
鮏0.1%
井0.1%
倩0.1%
勢以0.1%
命0.1%
姓氏0.1%
左様0.1%
才0.1%
晟0.1%
歳0.1%
済0.1%
盛0.1%
背位0.1%
茜0.1%
身幹0.1%
身材0.1%
逝0.1%
過失0.1%
醒0.1%
際0.1%
霽0.1%
鯹0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
午後になってから益々(ますます)雲が多くなった、岳に近づいた所為(せい)もあろうがどうも空模様が面白くない。唯(た)だ割合に雲が高いので心丈夫だ。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
次第に短気のまさりて我意(わがまま)つよく、これ一つは年の故(せい)には御座候はんなれど、随分あたりの者御機げんの取りにくく、大(おほ)心配を致すよし
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「まだ面白い事があります首を縊(くく)ると背(せい)が一寸(いっすん)ばかり延びるそうです。これはたしかに医者が計って見たのだから間違はありません」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『此(この)家(うち)を燒(や)き潰(つぶ)せ!』と兎(うさぎ)の聲(こゑ)。愛(あい)ちやんは精(せい)一ぱい大(おほ)きな聲(こゑ)で、『其麽(そんな)事(こと)をすれば玉(たま)ちやんを使嗾(けしか)けるから可(い)いわ!』と叫(さけ)びました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
かれは文学と画とを併(あわ)せ学び、これをもって世に立ち、これをもってかれ一生(せい)の事業となさんものと志しぬ、家は富み、年は若し。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
細身(ほそみ)造りの大小、羽織袴(はかま)の盛装に、意気な何時(いつ)もの着流しよりもぐっと丈(せい)の高く見える痩立(やせだち)の身体(からだ)は危(あやう)いまでに前の方に屈(かが)まっていた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「何、北条殿の御意(ぎょい)で、これに勢(せい)を伏せておらるるとか。——さては、われわれの謀(たくら)みが、疾(と)く先方に洩れているのではあるまいか」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「清(せい)ちゃん、あのお庭(にわ)に咲(さ)いている赤(あか)い花(はな)はなんだか知(し)っている?」と、一人(ひとり)が、立(た)ち止(ど)まって垣根(かきね)の間(あいだ)からのぞこうとしたのでした。
子供どうし (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼は脊(せい)の短いがっしりした体格の男で、強固な意志が眉宇(びう)の間に窺われ、ニューヨークの暗黒界に於ける一大勢力であった。
変な恋 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
僕は先生の部屋(へや)でいつの間にか泣寝入りをしていたと見えます。少し痩(や)せて身長(せい)の高い先生は笑顔(えがお)を見せて僕を見おろしていられました。
一房の葡萄 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
單純(たんじゆん)なレウマチス性(せい)の頭痛(づつう)ではあつたが、閭(りよ)は平生(へいぜい)から少(すこ)し神經質(しんけいしつ)であつたので、掛(か)かり附(つけ)の醫者(いしや)の藥(くすり)を飮(の)んでもなか/\なほらない。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
孔子は十二君に歴事したりといい、孟子が斉(せい)の宣王(せんおう)に用いられずして梁の恵王を干(おか)すも、君に仕(つか)うること容易なるものなり。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「えゝから、よきげ嘗(な)めさせろ」勘次(かんじ)はおつぎを制(せい)した。三人(にん)は他人(ひと)の目(め)が開(あ)いてない闇夜(やみよ)の小徑(こみち)を恁(か)うして自分(じぶん)の庭(には)へ戻(もど)つた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼の風采は、割合に背丈(せい)が高いというぐらいのことで、普通の人間の眼には別にどこといって変わったところは見えなかった。
今(いま)敵國(てきこく)深(ふか)く侵(をか)して、邦内(はうない)騷動(さうどう)し、士卒(しそつ)、境(さかひ)に(一七)暴露(ばくろ)す。君(きみ)寢(い)ねて席(せき)を安(やす)んぜず、食(くら)うて味(あぢはひ)を甘(あま)しとせず。百姓(せい)の命(めい)皆(みな)君(きみ)に懸(か)かる。
といって、乙(おつ)は雪(ゆき)の上(うえ)に落(お)ちていたニッケル製(せい)のハモニカを拾(ひろ)い上(あ)げました。それはいつか太郎(たろう)が吹(ふ)いているのを見(み)て覚(おぼ)えがあるのでした。
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
神さまは聖(せい)ペテロさまに、足台はどこへいったのかと、おたずねになりました。しかし、もちろん、聖ペテロさまは知りません。
元洋もまた杉田門から出た人で、後建(けん)と称して、明治十八年二月十四日に中佐(ちゅうさ)相当陸軍一等軍医正(せい)を以て広島に終った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
と、いうや否、高手小手に縛ってしまったので、さすがの孟獲も、うぬッと、一声(せい)吠えたのみで、どうすることもできなかった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中番頭(ちゅうばんとう)から小僧達(こぞうたち)まで、一同(どう)の顔(かお)が一齊(せい)に松(まつ)五郎(ろう)の方(ほう)へ向(む)き直(なお)った。が、徳太郎(とくたろう)は暖簾口(のれんぐち)から見世(みせ)の方(ほう)を睨(にら)みつけたまま、返事(へんじ)もしなかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
また、彼女はこの間一人の伯爵夫人と一人の華族様とを見たが、その貴公子は「ちょうどピータア位の身丈(せい)恰好(かっこう)であった」
青(せい)州に朱(しゅ)老人というのがあって、薬を売るのを家業とし、常に妻と妾と犬とを連れて、南康県付近を往来していた。
驛名を書いた立札(たてふだ)の雨風に晒(さら)されて黒く汚れたのが、雜草の生えた野天(のてん)のプラツトフオームに立つてゐる眞似事(まねごと)のやうな停車場(ステーシヨン)を、汽車は一聲(せい)の汽笛(きてき)とゝもに過ぎ去つた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
亥之吉は小原鉄心の一行に随って参州吉田に赴きその父を省(せい)して直に名古屋に還ったのである。『亦奇録』に曰く
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その当時、武平(ぶへい)県の農民劉義(りゅうぎ)という者が官に訴え出た。自分の嫂(あによめ)が奸夫と共謀して、兄の劉成(せい)を殺したというのである。
一国の文明は、政府の政(せい)と人民の政と両(ふたつ)ながらその宜(よろしき)を得てたがいに相助くるに非ざれば、進むべからざるものなり。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
通称は三右衛門(さんえもん)である。六世(せい)の祖重光(ちょうこう)が伊勢国白子(しろこ)から江戸に出て、神田佐久間町に質店(しちみせ)を開き、屋号を三河屋(みかわや)といった。当時の店は弁慶橋であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ルオフ・メリコフ——三十二歳、白系韃靼人(はくけいだったんじん)。ギリシャ正教徒(せいきょうと)。前近衛(このえ)中隊長。英(えい)独(どく)仏(ふつ)伊(い)西(せい)の各国語に通じ、少しくビルマ語をも解す。兄はビルマ在住の貿易商。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
これは金星(せい)行きのロケットだわ
元来は静(せい)であるべき大地(だいち)の一角に陥欠(かんけつ)が起って、全体が思わず動いたが、動くは本来の性に背(そむ)くと悟って、力(つと)めて往昔(むかし)の姿にもどろうとしたのを、平衡(へいこう)を失った機勢に制せられて
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
誰に罪があるのでもないが、子供の時に甘やかされた心の殘つてる所爲(せい)か、何か洩らさずにはゐられぬ不快のある時、母をいぢめるのが何時からとなく私の癖になつた。
不穏 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
建文元年正月、燕王長史(ちょうし)葛誠(かつせい)をして入って事を奏せしむ。誠(せい)、帝の為(ため)に具(つぶさ)に燕邸(えんてい)の実を告ぐ。こゝに於(おい)て誠を遣(や)りて燕に還(かえ)らしめ、内応を為(な)さしむ。燕王覚(さと)って之に備うるあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そうだ。孔明(こうめい)を迎えて蜀(しょく)を征(せい)し、三国の一方を占めて帝座にのぼった人物。この人がまだ志も得ず、孔明にも会わず、同族の劉表(りゅうひょう)に身を寄せて、いわば高等食客を
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一国の一時代の風尚に肘(ひじ)を掣(せい)せられていては、学問は死ぬる。
沈黙の塔 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
私の故為(せい)でそうなった事を知って
アイヌ神謡集 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
彼(かれ)は前(まえ)のように八時(じ)に起(お)きて、茶(ちゃ)の後(のち)は直(すぐ)に書物(しょもつ)を楽(たの)しんで読(よ)んでいたが、この頃(ごろ)は新(あたら)しい書物(しょもつ)も買(か)えぬので、古本(ふるほん)ばかり読(よ)んでいる為(せい)か、以前程(いぜんほど)には興味(きょうみ)を感(かん)ぜぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いかなる詩句といえども、画像の絵具面(パレット)といえども、彼女の美を写してはいませんでした。彼女はやや脊丈(せい)の高い、女神のような形と態度とを有していました。
〔譯〕周子(しうし)靜(せい)を主(しゆ)とす、心(こゝろ)本體(ほんたい)を守るを謂ふなり。※説(づせつ)に、「欲(よく)無し故に靜(せい)」と自註(じちゆう)す、程伯氏(ていはくし)此(これ)に因つて天理(り)人欲(よく)の説(せつ)有り。叔子(しゆくし)敬(けい)を持(ぢ)する工夫(くふう)も亦此(こゝ)に在り。
その肩の辺に縺(もつ)れかかった崩れた髪の乱らがましさ、顔を隠した袖を抜けてクッキリと白い富士額(ふじびたい)、腰細く丈(たけ)高く、艶(えん)と凄(せい)とを備えた風情(ふぜい)には、人を悩ますものがある。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その室は、光琳(こうりん)風の襖絵のある十畳間で、左手の南向きだけが、縁になっていた。その所以(せい)でもあろうか。午後になって陽の向きが変って来ると、室の四隅からは、はや翳(かげ)りが始まって来る。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
常七は己(じぶん)の眼の故意(せい)ではないかと思って舟の中を見直した。それでも物の影はなかった。
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
総宗家の弟は有信が深川の家に来り寄るべきではないから、長左衛門は妻党(さいたう)の人で、正しく謂へば甥(せい)であらうか。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
其死が夫人(おくさん)、あなたをはじめとして全世界に彼様(あん)な警策(けいさく)を与えることが出来たでしょう乎。彼(あの)最後(さいご)彼臨終(りんじゅう)あるが為に、先生等身の著作、多年の言説に画竜(がりゅう)の睛(せい)を点(てん)じたのではありますまい乎。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
新撰字鏡に鮭の字を出(いだ)しゝは鮏(せい)と鮭(けい)と字の相(あひ)似(に)たるを以て伝写(でんしや)の誤(あやま)りを伝(つた)へしもしるべからず。鮭(けい)は河豚(ふぐ)の事なるをや。下学集(かがくしふ)にも鮭(さけ)干鮭(からさけ)と並(なら)べ出(いだ)せり。
按(あんず)るに、鮏(さけ)の鮮鱗(とりたて)はことさらに魚臭(なまぐさ)きものゆゑにやあらん。鮭(けい)は鯸鮐(こうち)の一名ともいへば鮏(さけ)にはいよ/\遠(とほ)し。とまれかくまれ鮏(せい)の字を知りて俗用(ぞくよう)には鮭(けい)の字を用ふべし。
解は角(つの)に刀に牛なり。牛の字を井(せい)に誤るが多し。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
倩(せい)さんとも、もう永久に会われない、これまでは、毎日のように顔を合さないまでも、不思議な夢の中では、楽しみをつくしておったが、明日この土地を離れるが最後
倩娘 (新字新仮名) / 陳玄祐(著)
姉の勢以(せい)子は外御門(そとみかど)へ命婦(みょうぶ)に行き、七十くらいになっていた母堂が鼻緒の壺縫いをするというあっぷあっぷで、安部は学習院の月謝をいくつもためこみ
予言 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
女王樣(ぢよわうさま)が其(そ)の不幸(ふかう)な賓客(まらうど)を死刑(しけい)にせよと命(せい)ぜられる金切聲(かなきりごゑ)も聞(きこ)えました——も一度(いちど)豚(ぶた)の仔(こ)が公爵夫人(こうしやくふじん)の膝(ひざ)に居(ゐ)て嚏(くさめ)をし、其(そ)の間(あひだ)、皿小鉢(さらこばち)が其(そ)の周(まは)りに碎(くだ)けました——再(ふたゝ)びグリフォンの叫(さけ)び聲(ごゑ)
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
公卿(くげ)たちの頭には、姓氏(せい)や家門というものが、人を見るよりも先に支配する。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ウン。野郎……元ッカラ本職だったかも知んねッテ皆(みんな)、左様(せい)云ってッケンド……いつも仕事をブッタクリやがった癖に挨拶もしねえで消(け)えちまった罰当(ばちあた)りだあ。今にキット捕まるにきまってら」
老巡査 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お前(めえ)なんだ生若(なまわけ)え身で耳抉(みゝっくじ)りを一本差しゃアがって、太神楽(だいかぐら)見たような態(ざま)をして生意気な事を云うねえお前(め)ッちゃア青二才(せい)だ、鳥なら未(ま)だ雛児(ひよっこ)だ、手前達(てめえたち)に指図を受けるものか
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かつて御史(ぎょし)ありて晟(せい)の自ら専(もっぱら)にすることを劾(がい)しけるに、帝聴(き)かずして曰く、人に任ずる専(せん)ならざれば功を成す能(あた)わず、況(いわ)んや大将は一辺を統制す、いずくんぞ能(よ)く文法に拘(かかわ)らんと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
爺「へい、あんた無沙汰をしやんした、あんたに見せべえと思っていた青爪(あおづめ)で、三歳(せい)五ヶ月になる馬で、いゝ馬だ、今見せるから待って下せえ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
阿部伊勢守正弘の家来伊沢磐安(いさわばんあん)、黒田(くろだ)豊前守(ぶぜんのかみ)直静(なおちか)の家来堀川舟庵(ほりかわしゅうあん)、それから多紀楽真院(らくしんいん)門人森養竹(もりようちく)である。磐安は即ち柏軒で、舟庵は『経籍訪古志』の跋(ばつ)に見えている堀川済(せい)である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
栄(えい)、枯(こ)。——また盛(せい)、衰(すい)。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから一寸の五十二倍もあります、しかし背位(せい)は低い方です、なぜなら僕は学校の同級生と隊列を作った時に、真ン中よりも後の方になるからです、結局大きさは絶対ではありません
宇宙爆撃 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
アカネは茜という字を書きますが、この字の音は茜(せい)ではなくて茜(せん)でなければならぬ。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
と夜具を奪(と)りにかかる女房(にょうぼう)は、身幹(せい)の少し高過ぎると、眼の廻(まわ)りの薄黒(うすぐろ)く顔の色一体に冴(さ)えぬとは難なれど、面長(おもなが)にて眼鼻立(めはなだち)あしからず、粧(つく)り立てなば粋(いき)に見ゆべき三十前のまんざらでなき女なり。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「さやうでございますよ、年紀(としごろ)四十ばかりの蒙茸(むしやくしや)と髭髯(ひげ)の生(は)えた、身材(せい)の高い、剛(こは)い顔の、全(まる)で壮士みたやうな風体(ふうてい)をしてお在(いで)でした」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
大を逝(せい)といい、逝を遠といい、遠を反という。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心、岡倉覚三(著)
凡夫の悲しさ、源はその日のことを馬の過失(せい)にして、さんざんに当り散した。丁度、罪人を撻(むちう)つ獄卒のように、残酷な性質を顕したのです。馬に何の罪があろう。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まだ酔(すい)と醒(せい)の境をうろついていた女には、それほど世界が廻っているとは見えなかったらしく
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
せえから序(つい)でだでいうておくがな、阿母さまもお亡なりになったけえ、この際(せい)家の財産も、みんなで分けて置くがええと思うから、兄弟三人で三つに分けることにしたで
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「二十九日。微雨。午ニ近ク霽(せい)ヲ放ツ。八丁目ニ抵(いた)ル。民舎ノ機杼伊(きじょい)鴉(あ)トシテ相響ク。コノ間古昔信夫(しのぶ)文字摺(もじずり)ヲ出セシ所。今ニ至ルモ蚕桑ヲ業トシ多ク細絹ヲ産ス。(中略)桑折ノ駅ニ宿ス。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
大典(てん)和尚の学語編(がくごへん)には鱖(さけ)の字を出されたり、鱖(き)はあさぢと訓(よむ)也。唐(もろこし)の字書(じしよ)には鱖(き)は大口細鱗(さいりん)とあれば鮏にるゐせるならん。字彙(じゐ)には鮏(せい)は鯹(せい)の本字にて魚臭(なまぐさし)といふ字也といへり。