“たけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タケ
語句割合
34.3%
18.8%
10.9%
6.5%
5.7%
4.3%
3.8%
2.7%
1.8%
身長1.7%
1.5%
1.3%
他家0.9%
0.5%
高価0.5%
0.3%
ヶ嶽0.3%
多気0.3%
0.3%
尺八0.2%
多景0.2%
0.2%
ヶ岳0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
松茸0.1%
不廉0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
尋長0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
神武0.1%
0.1%
背丈0.1%
脊長0.1%
0.1%
0.1%
身丈0.1%
身材0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
籠は上に、棚のたけやや高ければ、打仰うちあおぐやうにした、まゆの優しさ。びんの毛はひた/\と、羽織のえりに着きながら、肩もうなじも細かつた。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そも/\くま和獣わじうの王、たけくしてる。菓木このみ皮虫かはむしのるゐをしよくとして同類どうるゐけものくらはず、田圃たはたあらさず、まれあらすはしよくつきたる時也。
笠森かさもりのおせんだと、だれいうとなくくちからみみつたわって白壁町しろかべちょうまでくうちにゃァ、この駕籠かごむねぱなにゃ、人垣ひとがき出来できやすぜ。のうたけ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
こまたけふもと大湯村と橡尾とちを村の間を流るゝたに川を佐奈志さなし川といふ、ひとゝせ渇水かつすゐせし頃水中に一てんの光あり、螢の水にあるが如し。
あかつきに及び、何者とも知れず氷りたる雪の上を歩む音あり。新左衛門小屋の中より之をうかがふに、たけ一丈余りの男髪は垂れて眼を蔽へり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
たけり狂っている二人の耳には、その声が容易に聞えないらしいので、半七は舌打ちをしながら進み寄って、まず馬子の腕を押え付けた。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
亡き勝家の怨念おんねんをなぐさめ、しずたけ中入なかいりの不覚の罪を、ひたすら詫びせん心底なり——と、平然として云い払うのでありました
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何をしとっか。つッ。赤坂へ行くといつもああじゃっで……たけも武、なみも浪、実家さと実家さとじゃ。今時の者はこれじゃっでならん」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
頭のかんざしは山田屋か、損料はたけえがい物を持っているなア、これじゃアお母様ふくろさまの気に入らア、これからすぐきましょう
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
湯から上がって、二人が板の間にすえてある器械の上に乗って、身長たけを測ってみた。広田先生は五尺六寸ある。三四郎は四寸五分しかない。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日は高くむねを照らしている。うしろの山を、こんもり隠す松の幹がことごとく光って見える。たけの時節である。豊三郎は机の上で今ったばかりの茸のいだ。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これを聞いた盗人たちは、今更のように顔を見合せたけはいでございましたが、平太夫へいだゆうだけは独り、気違いのようにたけり立って
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかも本多忠勝という他家たけのひとによって実証されたのだからそのままに済ませることはできない、現に忠勝さえ短刀を与えているのである
青竹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
汝等手綱をとれるよりこのかた、拍車によりてめらるゝことなければ、見よこの獸のいかばかりたけくなれるやを 九四—九六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
一軒のかどにこのくらい咲いた家は修善寺中に見当らねえだよ。——これをながめるのは無銭ただだ。酒は高価たけえ、いや、しかし、見事だ。ああ、うめえ。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黙つててのひらへ載せてやると、直ぐ向う側の甲南市場へ駈け込んで、アンパンの袋とたけの皮包を懐ろに入れて戻つて来て
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その考えは、こまヶ嶽たけ後方うしろに見て木曾路を西へ急いで来る時の彼女の胸をったり来たりした。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
四 伊賀いが名張なばりなど三郡。南伊勢の鈴鹿すずか河曲かわわ一志いちし飯高いいだか飯野いいの多気たけ度会わたらいなどの七郡。——それに尾張犬山城と、河田かわだとりでとは、秀吉へゆずること。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そがなかのたけの香りに
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ここは、勤詮派きんせんはの虚無僧が足だよりとする宿寺しゅくじであるので、境内へ入ると、稽古の尺八たけ一節切ひとよぎりの音がゆかしくもれて聞こえた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今まで忘れてゐた右舷の方の湖上に眼を放つと、多景たけ島がやゝ近くに岩の上に立つてゐる堂塔の形を見せてゐる。沖の白石はその眞西にあたつて、今日も白帆を集めたやうに水の上に浮いてゐる。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
と、たけ高い、頭髪かみのけをモヂヤ/\さした、眼鏡をかけた一人の青年が、反対の方から橋の上に現れた。静子は
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
町の中には険呑けんのんな空気が立罩たてこめて、ややもすれば嫉刀ねたばが走るのに、こうして、朧月夜に、鴨川の水の音を聞いて、勾配こうばいゆるやかな三条の大橋を前に、花に匂う華頂山、霞に迷う如意にょいヶ岳たけ
皇孫彦火瓊瓊杵尊ひこほのににぎのみことが、天照大神あまてらすおほみかみの神勅を奉じ、日向ひうが高千穂たかちほ槵触くしふるたけに降臨されてから御三代の間は、九州の南方に在つて、国土を経営し、民力の涵養かんやうはかると共に、周囲の者どもを帰服せしめ
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
物をうる茶屋をもつくる、いづれの処も平一めんの雪なれば、物を煮処にるところは雪をくぼぬかをちらして火をたけば、雪のとけざる事妙なり。
助驚きて、まことにさる事あり。いかにしてしらせ給ふや。興義、かの漁父三たけあまりの魚をかごに入れて君が門に入る。君は賢弟と三〇南面みなみおもての所にを囲みておはす。
なほ三八九念じ給へば、屏風のうしろより、三九〇たけばかりの小蛇こへびはひ出づるを、三九一是をもりて鉢にれ給ひ、かの袈裟をもてよくふうじ給ひ、そがままに輿に乗らせ給へば
然れども大倭おほやまとの國に、吾二人にましてたけき男はいましけり。ここを以ちて吾、御名を獻らむ。今よ後一一倭建やまとたけるの御子一二と稱へまをさむ
堅庭は向股むかももに蹈みなづみ、沫雪なすはららかして、稜威の男建をたけび、蹈みたけびて、待ち問ひたまひしく、「何とかも上り來ませる」と問ひたまひき。
山の芋、栗、甘柿、野葡萄のぶどう松茸たけなどの山のさち。もしや野山にしておわせられた戎衣じゅうい(軍服)の日を思い出られて、珍しくもない物ながら、ふと、おなぐさみにもなろうかと存じまして
「これは、きつい仰せを」と、忠顕は苦笑し「——そのような昔ばなしはまずくといたしましょう。……ほ。香のよい松茸たけやら、種々くさぐさな山のさちが、見事に台盤に盛られてございますな」
「えゝから、それよりか、そんなに不廉たけえことはねえで、なあ、こめぺうつべえぢやねえか」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やや二時間もたったと思うころ、あや目も知れないやみの中から、硫黄いおうたけの山頂——右肩をそびやかして、左をなで肩にした——が雲の産んだ鬼子のように、空中に現われ出る。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
森の香たけき胸に入る
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
『何をするツ、貴様らこそ。』と、信吾はモウ夢中にたけり立つて、突然いきなり志郎と昌作を薙倒なぎたふす。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
物見高いのは江戸の習いゆえ大勢人が立ちましたが、誰有って止める人も有りませんから、仙太郎の女房が見兼て中へ這入り、たけり狂っている侍に向い
かれおのもおのもおのが身の尋長たけのまにまに、日を限りて白す中に、一尋鰐二〇白さく、「は一日に送りまつりて、やがて還り來なむ」
ここを以ちて仁岐ににぎの命、初めて高千たかちたけあも神倭かむやまと天皇すめらみこと、秋津島に經歴したまひき。化熊川より出でて、天の劒を高倉に獲、生尾こみちさへきりて、大き烏吉野に導きき。
如何いか年若としわかなればとて盜賊よばはりは何事ぞ是にはたしかな證據でも有ての事か是サ組頭默言だまつて御座つてはすみますまいとたけり立れば組頭の周藏傳兵衞もあきれ居しが漸々進み出コレ藤八殿餘りおほきな聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
このみて相應に打けるゆゑ折々をり/\は重四郎をの相手となせしを以て重四郎は猶も繁々しげ/\出入なし居しが偶然ふと娘お浪の容貌みめかたちうつくしきを見初みそめしより戀慕れんぼじやう止難やみがたく獨りむねこがせしがいつそ我が思ひのたけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
書紀によれば、大海人皇子は「あれまししより岐嶷いこよかなる姿みすがた有り、をとなに及びて雄抜ををしく神武たけし」とある。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
霰ふるたけのまがきや子はほしき 道彦
俳句上の京と江戸 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
私が、一葉女史の「たけくらべ」をないしよで買ひもとめるのに、たけくらべ、竹くらべ、背丈たけくらべ、などと、ありつたけの當字あてじを書いて、探しにやつたのもそれからぢきのことであつた。
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
と格子から一歩そとへ踏み出すと、いきなり日燒けのした脊長たけの高い男が、殆ど私と同時に格子をあけようと外から手をかけてゐるところであつた。私はすぐ「きやつだな」と心でさう感じた。
蒼白き巣窟 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
そのために、狂的な経済的好況が、日本のブルジョア階級を、踊りたけでも、食った人のように、夢中に止め度もなく踊り狂わせた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
いや、御深切は難有ありがたいが、薬罐やかんの底へ消炭けしずみで、くあとからめる処へ、氷で咽喉のどえぐられそうな、あのピイピイを聞かされちゃ、身体からだにひびったけがはいりそうだ。……持って来な。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人波の上をぬきんでて、五寸あまりも身丈たけが高い。非常な長身といわなければならない。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
年紀としのころ二十六七と見えて、身材たけは高からず、色ややあを痩顔やせがほむづかしげに口髭逞くちひげたくましく、髪のひ乱れたるに深々ふかふかと紺ネルトンの二重外套にじゆうまわしえりを立てて、黒の中折帽を脱ぎて手にしつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かれは手も足も肉落ちて、赭黒あかぐろき皮のみぞ骸骨がいこつつつみたる。たけ低く、かしら禿げて、かたばかりのまげいたる十筋右衛門とすじえもんは、略画りゃくがからすひるがえるに似たり。まゆも口も鼻も取立ててうべきところあらず。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)