“尺八”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃくはち60.0%
たけ13.3%
しやくはち13.3%
ひとよぎり6.7%
ふえ6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遠くの方から、村の青年が吹き鳴しているのでしょう、下手な追分節おいわけぶし尺八しゃくはちが、それでも何とやら物悲しく、風の音にまじって聞えて来ます。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その時——それは、ひよく音に似たような、哀れに淋しい尺八たけの調べが、林の静寂しじまに低くふるえて、どこからともなく聞こえてきた。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村雲むらくもすこし有るもよし、無きもよし。みがき立てたるやうの月のかげに尺八しやくはちの聞えたる、上手じやうずならばいとをかしかるべし。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
板橋いたばし欄干らんかん俯向うつむいて尺八ひとよぎり一人ひとりた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
尺八ふえが主になることもあり得べきことだが、尺八ふえばかりではまとめてゆけないから、ある部分は尺八ふえに譲っても、結局箏を主にすることになると考えた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)