“ふえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フエ
語句割合
69.3%
不壊8.5%
5.7%
4.0%
汽笛3.4%
1.7%
呼笛1.1%
1.1%
不会0.6%
不壞0.6%
倍多0.6%
口笛0.6%
号笛0.6%
尺八0.6%
笛管0.6%
繁殖0.6%
號笛0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「その竹童のからだをさがしに、だんだんうすぐらい檜谷ひのきだにりてゆくと、ピューッと、ひよどりでもいたような、ふえがしたんです」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしわたくしがその世界にすっかり入り切るならば、特に愛人とか親とかの差別はなく、わたくしは万人万物と不壊ふえの生命で手をつなぎ合えるのです。
ある日の蓮月尼 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それも年を追うて減少して行く。我邦の名画は年を追うてふえて来る。探幽の死んだ頃より今日の方が探幽の画も百倍多い。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
勿論その尊敬は、悲壮と云うような観念から惹き起される一種の尊敬心で、例えば頽廃たいはいした古廟に白髪の伶人れいじんが端坐してふえの秘曲を奏している、それとこれと同じような感があった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
山の手寄りの駅の空では赤や緑の電灯でんきが深紫の闇の中に煌々と二列に綴られていた。何かまたほうほうと汽笛ふえのけはいもした。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
トヾの詰り遣傷やりそこなっても自身独立の主義に妨げのない限りは颯々さっさつります。例えば慶應義塾を開いて何十年来様々変化は多い。時としては生徒の減ることもあればふえることもある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
車掌の呼笛ふえが鳴った。ガクンと動揺して汽車は動き始めた。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それをまた、陪席ばいせきの来賓はみな、おかしげに眺め合って、しばしば、楽堂がくどう胡弓こきゅうふえの音も、耳に忘れるばかりな歓声だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
到底吾人味噌粕輩みそかすはいは申すに及ばず、斯道五流の大家と雖も倒退三千里で、畢竟ひっきょう百説ひゃくせつ不会ふえただ識者しきしゃの知に任せ、達者の用にまかして、はるかに三拝九拝して退くより他にみちはないのである。
謡曲黒白談 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ヘープァイストスの青銅の不壞ふえの*神殿燦爛さんらんと 370
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
象月に謝罪せんとて鼻を水に入るるに水掻き月影倍多ふえたり、兎象に向い汝湖水をみだせし故月いよいよいかると言い象ますますおそゆるしを乞い群象をひきいてその地を去る
漸々やうやうの事で、最後の三等車に少許すこし空席すきを見付けて乗込むと、その扉を閉め乍ら車掌が号笛ふえを吹く。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
尺八ふえが主になることもあり得べきことだが、尺八ふえばかりではまとめてゆけないから、ある部分は尺八ふえに譲っても、結局箏を主にすることになると考えた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ノズドゥリョフは、もうとっくに廻すのをやめていたが、紙腔琴シャルマンカの内部に甚だ勇ましい笛管ふえが一本あって、それがいっかな鳴り止もうとしないで、いつまでも一つだけで鳴りつづけていた。
漸くの事で、最後の三等車に少しの空席を見附けて乘込むと、その扉を閉め乍ら車掌が號笛ふえを吹く。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)