“簫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょう56.7%
ふえ23.3%
せう10.0%
しよう6.7%
しやう3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
軟らかな風がどこからともなしに吹いてきて、笑声が聞え、その笑声に交って笛やしょうが聞えてきた。毅は不審に思って外の方を見た。
柳毅伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
されば之に代って昭和時代の東京市中に哀愁脉々たる夜曲を奏するもの、唯南京蕎麦売のふえがあるばかりとなった。
巷の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しとみげると、格子戸かうしどうへつた……それるか、せうふえごとかたちしたまどのやうな隙間すきまがあつて、電光いなびかりてらされる。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「笛と蚯蚓としようひちりきだよ」小娘はサチ子を見ると改めて顔をしかめて呟いたが、空の袂をふりながらほかの卓子へ移動した。
「根岸の梅屋敷——龜戸梅屋敷と違つて、此處は御隱殿裏で、宮家住居の近くだから、藪鶯やぶうぐいすだつて三下さんさがりぢや啼かねえ。しやう篳篥しちりきに合せてホウホケキヨ——」