“しょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ショウ
語句割合
19.3%
12.6%
8.8%
6.7%
4.6%
3.6%
3.4%
3.1%
2.9%
2.8%
2.8%
2.7%
1.8%
1.7%
1.5%
1.4%
1.0%
1.0%
0.9%
0.8%
0.8%
0.7%
0.7%
0.6%
0.6%
0.5%
0.5%
漿0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
百姓0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
少輔0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
本当0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
真正0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、一体彼は何か仕事をしているのか、どうか疑わしいほど、労働がきらいなしょうのように見えた。彼の職務は倉庫番であった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「それは写真というもので、筆や絵具でかいたのではない、機械でとって薬で焼きつけたしょうのままのすがたじゃ、日本ではまだ珍らしい」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お君さんとその弟のしょうちゃんとが毎日午後時間を定めて習いに来た。正ちゃんは十二歳で、病身だけに、少し薄のろの方であった。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
彼はにわかに、こう謝して、賓客の礼を与え、座にしょうじて、あらためて闞沢の使いをねぎらい、酒宴をもうけて、さらに意見を求めた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが前にもちょいと申し上げて置きました、若殿様がしょうだけを御吹きにならないと云う、そのわれに縁のある事なのでございます。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さて、リンゴが、すっかりできあがりますと、顔を黒くぬって、百しょうのおかみさんのふうをして、七つの山をこして、七人の小人こびとの家へいきました。
しょうちゃん(お絹たちの弟)がめていたから、いい人でしょうね。けど奥さんもずいぶん骨が折れますわ。幾歳だとか……」
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
玄機が李のしょうになって、いくばくもなく李と別れ、咸宜観に入って女道士になった顛末てんまつは、ことごとく李の口から温の耳に入っていたのである。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
女流詩人らが息を切らし汗を流しながら、シュリー・プリュドンムやオーギュスト・ドルシャンの詩句を、朦朧もうろうたる調子でしょうした。
柳生対馬守が、お畳奉行別所信濃守をしょうじて、種々日光御造営の相談をしているさいちゅう、取次ぎの若侍が、縁のむこうに平伏して
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しょう糧米りょうまいと、一羽の赤い雄雞おんどりと、一升の酒とを或る蛮人に贈って、生きながら虎に変ずるの秘法を伝えられたのであった。
いやしくも我国民の元気を養い、その独立精神を発達し、これを以てこれがしょうに当るに非らざれば、帝国の独立、誠に期し難し(謹聴々々)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
蔀を上げると、格子戸を上へ切った……それも鳴るか、しょうの笛の如き形した窓のような隙間があって、と電光に照される。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしわたしすこしも身体からだ異状いじょういです、壮健そうけんです。無暗むやみ出掛でかけることは出来できません、どうぞわたし友情ゆうじょうのことでなんとかしょうさせてください。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
余事ではあるが、嵐雪というのは芭蕉の主な弟子の一人で、其角とならびしょうせられ、芭蕉の門人に其角、嵐雪ありと言ったと言われおる男である。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
彼らは強いてみずからを愚弄ぐろうするにあらずやと怪しまれる。世に反語はんごというがある。白というて黒を意味し、しょうとなえて大を思わしむ。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あくる日、しょうは、上清宮の神扉しんぴ深きところの、宸翰しんかん箱にまつり封ぜられ、式を終って、夜は一山の大饗宴だいきょうえんに移った。精進しょうじん料理ばかりのお山振舞ぶるまいである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かく日々に切なる渇仰かつごうの念は、ついに彼を駆って伯をしょうする詩を作ることを思い立たしめた。一気呵成、起句は先ず口をいて出た。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
その上、三人でいた間は、肥前ひぜんくに加瀬かせしょうにある成経のしゅうとから平家の目を忍んでの仕送りで、ほそぼそながら、朝夕ちょうせきの食に事を欠かなかった。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
米子の滝のしょうかたりて、ここへ来しみちなる須坂より遠からずとおしえらる。滝の話は、かねても聞きしことなれど、往てんとおもう心切なり。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
政治まつり朝廟ちょうびょうで議するも、令は相府に左右される。公卿百官はおるも、心は曹操の一びんしょうのみ怖れて、また、宮門の直臣たる襟度きんどを持しておる者もない。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「無礼な奴、誰だ?」と一族の者が覗いてみると、孟獲の妻の祝融夫しゅくゆう人が、しょうって長々と昼寝していたのである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正直しょうじきにいうと、僕はこの敗軍のしょうに対する同情と敬愛の念は、かれの軍を敗り、彼をして軍門にくだらしめたグラント将軍より、いっそう強く常に懐しく思っている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そしてその形式はいずれもしょう家の神社なる聞得大君きこえおおぎみ御殿おどんにまねて祖先の神と火の神と鉄の神とを祭らしたのであります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
前日記したる御籤みくじの文句につき或人より『三世相』の中にある「元三大師がんざんだいし御鬮みくじしょう」の解なりとて全文を写して送られたり。その中に佳人水上行かじんすいじょうにゆくを解して
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
わけても、陣中常に赤い甲冑を着て通った武騎校尉曹操そうそうも、功によって、済南さいなん(山東省・黄河南岸)のしょうに封じられたとのことであった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あたかも偉大なるヨーロッパの造兵しょうの精巧なる手によって設計された最新式の魚形水雷のようなものであって、その統一が完成されたあかつきには、それが弱い人間の手によって
『大井川のくじらは、婦人にしてその味を知るなり』と、言うことからそれは別として山鯨、なめくじら、海豚いるかに至るまで、その漿しょうを舌端に載せてみた。
海豚と河豚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
六日の夜は、流言の如く、又焼打の騒ぎあり、翌七日には、市内全く無警察のしょうを現はしけるが、浅草公園の池にては、咎むる者の無きをとし、こい釣大繁昌との報を得たり。
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
遠くからわかるように、しょうや太鼓でたずねるという話は、われわれの子供の頃までよく聞かされたが、交番という便利なものが出来ていたので、実際にはもうなかった。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
こたえはただしかったけれど、孝二こうじしょううばわれて、残念ざんねんそうにえました。そのうちに、いずれもつくしました。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
眼裏がんりちりあれば三界はせまく、心頭しんとう無事ぶじなれば一しょうかんなり」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
ここを以て周遊の念、勃々然ぼつぼつぜんとして心胸の間を往来し、しか呻吟しんぎん𨀥跙ししょすること、けだしまた年あり。幸いにして今貴国の大軍艦、しょうを連ねて来り、我が港口に泊し、日たるすでに久し。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
太史たいし(史官)の奏上そうじょうによると、昨夜は北斗ほくと七星が光りをかくしたということである。それは何のしょうであろう。師にその禍いをはらう術があるか」
奈良へ行くと猿沢の池の次が、十三しょう所謂いわゆる石子詰いしこづめ」の有ったと云われている所であるが、一時間名所を廻って一円の車屋や、名所一廻り三十銭の案内人が
傾城買虎之巻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
葛伯かつはくしょうきゅうすと言い、鄭人ていじんが温の麦を刈るといい、イスラエル人が牧場を争うといい、高地のスコットランド人が低地のスコットランド人の牛羊穀物を奪うというの類のごとき
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しょうよ、お前には私も教えられる。それでこそいっしょに詩の話が出来るというものだ。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
いま孔明のいた陣には八つの門がある。名づけて、きゅうせいしょう、杜、けいきょうかいの八部とし、うち開と休と生の三門は吉。傷と杜と景と死と驚との五門は凶としてある。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
の時代にはしょうを植えました。いんの時代にははくを植えました。周の時代になってからは、りつを植えることになりましたが、それは人民を戦慄せんりつさせるという意味でございます。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
いて道衍の為に解さば、ただれ道衍が天にくるの気と、自らたのむの材と、莾々もうもう蕩々とうとう糾々きゅうきゅう昂々こうこうとして、屈すからず、たわむ可からず、しょうす可からず、おさう可からざる者
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ふん、しょせんは糞土のしょうだろう。無頼は無頼だ。
斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
きょからしょうへと出る途すがら、子路が独り孔子の一行におくれて畑中のみちを歩いて行くと、あじかになうた一人の老人に会った。子路が気軽に会釈えしゃくして、夫子を見ざりしや、と問う。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
老妻の手にかけた月の輪熊のしょうは格別である。
老狸伝 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
開封府かいほうふに居らしめ、第六子てい王とし、武昌ぶしょうに居らしめ、第七子せい王とし、青州府せいしゅうふに居らしめ、第八子を封じてたん王とし、長沙ちょうさき、第九子ちょう王とせしが、は三歳にしてしょう
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まことに醜態だった、と「中院記」や「玉英記しょう」も書いている。北朝の廷臣に人材のなかったことが、この一例でもおおいようなく世間に見すかされたことだったろう。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほ、ほ、口惜しそうに、そんなに怖い顔をしたって、駄目の皮さ。たとえ、おまはんが、天狗しょう、飛び切りの術を心得ていたって、ここからそこまでは五間もある。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
弟、しょうが跡目をついだ。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春風はるかぜは、とおくからいて、とおくへっていきます。百姓しょう愉快ゆかいそうにはたらいています。おひめさまは、なにをてもめずらしく、こころも、ものびのびとなされました。
お姫さまと乞食の女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここにのせた「母のはなし」は、その追憶風ついおくふうの小説『ピエール・ノジエール』の中の一しょうで、これだけめばアナトール・フランスがみんなわかるというようなものではありませんけれど、まずまず
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
しょうという姓の家からむすめをもらって結婚させることにしてあったが、まだ嫁入って来ないうちにくなったので、代りに細君となるべき女を探していたが、まだまとまっていなかった。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
売る者があっても買うものがなければ事はむわけである。図書出版の殷盛いんせいは購求者の多きをしょうするもの。これ今の世において見る不可思議中の不可思議ではないか。
仮寐の夢 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
婉曲えんきょく巧妙こうみょうなる言葉のもとほねしょうすることもできる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
えん王、しゅう王、せい王、しょう王、だい王、みん王等、秘信相通じ、密使たがいに動き、穏やかならぬ流言ありて、ちょうに聞えたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
残酷の豎儒じゅじゅとなし、諸王は太祖の遺体なり、孝康こうこう手足しゅそくなりとなし、これを待つことの厚からずして、周王しょうだいせい王をして不幸ならしめたるは、朝廷のために計る者のあやまちにして
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
パール・エンド・ハーミーズしょうの北の沖を、西にむかって、暗礁あんしょうをよけて航海中、とつぜん、水平線に黒煙が二すじ三すじ、立ちのぼるのを見た。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
陸上でいちばん美しい動物は、ちょうと鳥だといわれているが、この珊瑚しょうに住む魚の、チョウチョウウオ、スズメダイ、ベラなどの美しさは、私には説明ができない。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
しょう閣下のように二百万の兵を殺し国を焦土にして国民を路頭に迷わしても、外国へ亡命すれば向うの銀行に十億近くも預金のある人はいいですがね……われわれ
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
示したかということも……しょう主席は米国とどんな条約を結んだか知りませんがね……
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
先師は斉にご滞在中、しょうをきかれた。そして三月の間それを楽んで、肉の味もおわかりにならないほどであった。その頃、先師はこういわれた。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
の暦法を用い、いんくるまに乗り、周のかんむりをかぶるがいい。舞楽はしょうがすぐれている。𨜟ていの音楽を禁じ、佞人ねいじんを遠けることを忘れてはならない。𨜟の音楽はみだらで、佞人は危険だからな。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この前の前、雨の降った日に山荘で落ち合った使いがまたこの日出逢うことになって、大将の随身は式部少輔しょうの所でときどき見かける男が来ているのに不審を覚えて
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
式部少輔しょうにその返事を渡したそうでございます
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
身を全うし妻子をやすんずることをのみただ念願とする君側の佞人ねいじんばらが、この陵の一失いっしつを取上げてこれを誇大歪曲わいきょくしもってしょうの聡明をおおおうとしているのは、遺憾いかんこの上もない。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ワシントン当局者のからくりによって時局が平穏のうちに解決されると、南京政府は中央銀行を設け、上海造幣しょうを開いた。
大阪万華鏡 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
「ほう、監視班とは、なるほどこれはいいところへ配属されたものだ。『火の玉』少尉の監視しょうでは勿体ないくらいのものだ」
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
シナでしょうといっている祭がどうなっているか、シナの民間にも収穫に伴う物忌みの儀式があるかどうか知りたいと思っていたところ、近ごろやっと米についても
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
池の左右に植わっているのは、二株ふたかぶとも垂糸檜すいしかいに違いない。それからまたしょうに寄せては、翠柏すいはくへいが結んである。その下にあるのは天工のように、石を積んだ築山つきやまである。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
対象の世界 次に六境とは、六根の対象になるもので、しきしょうと香と味とそくと法とであります。六根に対する六つの境界という意味で、六境といったのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
口に腥膻なまぐさを食い、形は沙門の如く心は屠児の如しとまで罵っているが、彼らの中にも真に仏門に帰して、如法の修行をしょうじたものの少くなかったことを疑わぬ。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
鴻雁こうがん翔天しょうてんつばさあれども栩々くくしょうなく、丈夫じょうふ千里の才あって里閭りりょに栄すくなし、十銭時にあわず銅貨にいやしめらるなぞと、むずかしき愚痴ぐちの出所はこんな者とお気が付かれたり。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
弥陀如来が観音勢至以下の聖衆をひきい、雲に乗って念仏行者を来迎引しょうする図で、そこに山や樹木が伴うのだ。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
喰い殺すなんて、そんな馬鹿なことは考えられないし、オイしょうちゃん、やっぱり君の云った通り、こいつは少し変な具合だね
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
作者はしょく杜光庭とこうていであります。杜光庭は方士ほうしで、学者で、唐の末から五代に流れ込み、蜀王のしょうに親任された人物です。
むかし洋人はじめて印度インドに航する者あり。王にいいて曰く、臣が国、冬日とうじつあり、水凍結とうけつしてしょうのごとく、鏡のごとく、堅きこと石のごとしと。王おのれいつわるとなしてこれを殺せり。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
「わたしが何ンの虚言そらごとを言いまッしょうか。本当しょうのことでござります」
世にいうぎょしょうこうぼくの四隠のうち、彼のはそのいずれでもない。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
八、九年してから成が忽然こつぜんとして周の所へ来た。それは黄なずきんかぶり鶴の羽で織ったしょうを着た、巌壁のそびえたったような道士姿であった。周は大いに喜んでうでっていった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
次郎の頭に巻かれた繃帯は、学校じゅうの注目のしょう点になった。誰もそれを彼の敗北のしるしだと思う者はなかった。このごろ少し落目になっていた彼の勇名は、そのため完全に復活した。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
えりきなおして両眼とじ、おもむろに津軽なまり発したいところさ、など無礼の雑言、かの虚栄のちまたの数百の喫茶店、酒の店、おでん支那そば、下っては、やきとり、うなぎの頭、しょうちゅう、泡盛あわもり
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
而してしょう奥に生ず〉といえるを『釈文』に西南隅の未地ひつじのちといいしは羊を以てひつじに配当せしもその由来古し
髪の毛は何時剃刀を入れたとも知れず、蓬々と延びて塵に塗り、しょう々の毛の様に顔に被さり、皮膚の色は殆ど煤がかった鼠色である。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「正成はただではない。……清忠も言ったな、気鬱きうつしょうだと。……おそらくはひどい気鬱なのだろう。しばらく病養を命じおくがいい」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだったらうれしいが、あまりうますぎて、真正しょうのこととは思えない」とつぶやいた。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
たちまチ人ノ余ガ姓名ヲ問フモノアルヲ聞キ、乃チしょうヲ開イテコレヲ見レバ、白河ノ駅吏ノ来リ迎フルナリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
近頃は、しょうこんも、衰えたように、せが目についてきた。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
士気、用兵の敏捷びんしょう、もとより操としょうとの違いもありましょうが、要するに、曹軍の奇兵が、袁紹側の烏巣うそうの兵糧を焼き払ったことが、まずあの大捷を
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人とも紅いしょうの鉢巻をして、もとどりきじの尾を挿し、紫の小袖を着、腰に緑の錦を束ね、一方の手にはじきゆみを持ち、一方の手に青いひじかけをしていた。
西湖主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あるいしょう観音ともいわれる。すべての飛鳥仏のごとく下ぶくれのゆったりした風貌ふうぼう茫漠ぼうばくとした表情のまま左手につぼをさげて悠然ゆうぜん直立している。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
永い歳月を経て定まったしょうとの形があることをも考えず、何でも見れば真似まねをして、上から上からと色々の余分のものを取り重ね、羽織だコートだ合羽かっぱちりよけだと
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そのしょうを知らんとするものは、明史みんし及び明朝紀事本末みんちょうきじほんまつに就きて考うべし。今たゞ其概略がいりゃくと燕王恵帝の性格風丰ふうぼうを知るきものとを記せん。燕王もと智勇天縦ちゆうてんしょうかつつとに征戦に習う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
門末の私が先生についてあえて論讚にわたる言をなすのは、おのずから僭越せんえつしょうを免れず、不遜の罪を免れぬであろう。
呉秀三先生 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
会稽かいけいばんという姓の男があった。それはしょうの母がたのいとこであったが、強くて弓が上手であった。ある日万は邵の家へ来た。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
しょう 死して そのことを破れるを。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「馬鹿者、何をする」と絶叫して、飛鳥のように身を跳らせたと見ると、五郎兵衛は突放されて仰さまに顛倒てんとうし、銀造の持った大剣は二三間飛んで、道の上にしょうと鳴った。
入婿十万両 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
詔書の文は魏王曹操の大功をしょうし、嗣子しし曹丕そうひに対して、父の王位をぐことを命ぜられたもので——建安二十五年春二月みことのりすと明らかにむすんである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)