“しょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ショウ
語句割合
性19.3%
生12.6%
正8.8%
請6.7%
笙4.6%
姓3.6%
庄3.4%
妾3.1%
誦2.9%
招2.8%
升2.8%
衝2.7%
簫1.8%
証1.7%
称1.5%
小1.4%
詔1.0%
頌1.0%
荘0.9%
勝0.8%
笑0.8%
牀0.7%
将0.7%
尚0.6%
鈔0.6%
相0.5%
廠0.5%
漿0.5%
象0.5%
鉦0.5%
賞0.4%
床0.4%
檣0.4%
祥0.4%
鐘0.4%
餉0.4%
商0.3%
傷0.3%
松0.3%
消0.3%
牆0.3%
葉0.3%
醤0.3%
殤0.2%
抄0.2%
昇0.2%
昭0.2%
百姓0.2%
章0.2%
蕭0.2%
證0.2%
銷0.2%
湘0.1%
礁0.1%
蒋0.1%
韶0.1%
少輔0.1%
上0.1%
厰0.1%
哨0.1%
嘗0.1%
墻0.1%
声0.1%
成0.1%
捷0.1%
接0.1%
昌0.1%
昶0.1%
晶0.1%
本当0.1%
樵0.1%
氅0.1%
焦0.1%
焼0.1%
牂0.1%
猩0.1%
症0.1%
真正0.1%
睫0.1%
精0.1%
紹0.1%
綃0.1%
聖0.1%
裳0.1%
詳0.1%
誚0.1%
邵0.1%
鍾0.1%
鏘0.1%
頒0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、一体彼は何か仕事をしているのか、どうか疑わしいほど、労働がきらいな性(しょう)のように見えた。彼の職務は倉庫番であった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「それは写真というもので、筆や絵具でかいたのではない、機械でとって薬で焼きつけた生(しょう)のままの像(すがた)じゃ、日本ではまだ珍らしい」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お君さんとその弟の正(しょう)ちゃんとが毎日午後時間を定めて習いに来た。正ちゃんは十二歳で、病身だけに、少し薄のろの方であった。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
彼はにわかに、こう謝して、賓客の礼を与え、座に請(しょう)じて、あらためて闞沢の使いをねぎらい、酒宴をもうけて、さらに意見を求めた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが前にもちょいと申し上げて置きました、若殿様が笙(しょう)だけを御吹きにならないと云う、その謂(い)われに縁のある事なのでございます。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さて、リンゴが、すっかりできあがりますと、顔を黒くぬって、百姓(しょう)のおかみさんのふうをして、七つの山をこして、七人の小人(こびと)の家へいきました。
「庄(しょう)ちゃん(お絹たちの弟)が讃(ほ)めていたから、いい人でしょうね。けど奥さんもずいぶん骨が折れますわ。幾歳だとか……」
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
玄機が李の妾(しょう)になって、幾(いくばく)もなく李と別れ、咸宜観に入って女道士になった顛末(てんまつ)は、悉(ことごと)く李の口から温の耳に入っていたのである。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
女流詩人らが息を切らし汗を流しながら、シュリー・プリュドンムやオーギュスト・ドルシャンの詩句を、朦朧(もうろう)たる調子で誦(しょう)した。
柳生対馬守が、お畳奉行別所信濃守を招(しょう)じて、種々日光御造営の相談をしているさいちゅう、取次ぎの若侍が、縁のむこうに平伏して
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
幾升(しょう)の糧米(りょうまい)と、一羽の赤い雄雞(おんどり)と、一升の酒とを或る蛮人に贈って、生きながら虎に変ずるの秘法を伝えられたのであった。
苟(いやし)くも我国民の元気を養い、その独立精神を発達し、これを以てこれが衝(しょう)に当るに非らざれば、帝国の独立、誠に期し難し(謹聴々々)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
蔀を上げると、格子戸を上へ切った……それも鳴るか、簫(しょう)の笛の如き形した窓のような隙間があって、衝(つ)と電光に照される。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし私(わたし)は少(すこ)しも身体(からだ)に異状(いじょう)は無(な)いです、壮健(そうけん)です。無暗(むやみ)に出掛(でか)けることは出来(でき)ません、どうぞ私(わたし)の友情(ゆうじょう)を他(た)のことで何(なん)とか証(しょう)させて下(くだ)さい。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
余事ではあるが、嵐雪というのは芭蕉の主な弟子の一人で、其角と並(ならび)称(しょう)せられ、芭蕉の門人に其角、嵐雪ありと言ったと言われおる男である。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
彼らは強いて自(みずか)らを愚弄(ぐろう)するにあらずやと怪しまれる。世に反語(はんご)というがある。白というて黒を意味し、小(しょう)と唱(とな)えて大を思わしむ。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あくる日、詔(しょう)は、上清宮の神扉(しんぴ)深きところの、宸翰(しんかん)箱に祠(まつ)り封ぜられ、式を終って、夜は一山の大饗宴(だいきょうえん)に移った。精進(しょうじん)料理ばかりのお山振舞(ぶるまい)である。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かく日々に切なる渇仰(かつごう)の念は、竟(つい)に彼を駆って伯を頌(しょう)する詩を作ることを思い立たしめた。一気呵成、起句は先ず口を衝(つ)いて出た。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
その上、三人でいた間は、肥前(ひぜん)の国(くに)加瀬(かせ)の荘(しょう)にある成経の舅(しゅうと)から平家の目を忍んでの仕送りで、ほそぼそながら、朝夕(ちょうせき)の食に事を欠かなかった。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
米子の滝の勝(しょう)を語(かた)りて、ここへ来し途(みち)なる須坂より遠からずと教(おし)えらる。滝の話は、かねても聞きしことなれど、往て観(み)んとおもう心切なり。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
政治(まつり)は朝廟(ちょうびょう)で議するも、令は相府に左右される。公卿百官はおるも、心は曹操の一顰(びん)一笑(しょう)のみ怖れて、また、宮門の直臣たる襟度(きんど)を持しておる者もない。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「無礼な奴、誰だ?」と一族の者が覗いてみると、孟獲の妻の祝融夫(しゅくゆう)人が、牀(しょう)に倚(よ)って長々と昼寝していたのである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正直(しょうじき)にいうと、僕はこの敗軍の将(しょう)に対する同情と敬愛の念は、彼(かれ)の軍を敗り、彼をして軍門に降(くだ)らしめたグラント将軍より、いっそう強く常に懐しく思っている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そしてその形式はいずれも尚(しょう)家の神社なる聞得大君(きこえおおぎみ)御殿(おどん)にまねて祖先の神と火の神と鉄の神とを祭らしたのであります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
前日記したる御籤(みくじ)の文句につき或人より『三世相』の中にある「元三大師(がんざんだいし)御鬮(みくじ)鈔(しょう)」の解なりとて全文を写して送られたり。その中に佳人水上行(かじんすいじょうにゆく)を解して
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
わけても、陣中常に赤い甲冑を着て通った武騎校尉曹操(そうそう)も、功によって、済南(さいなん)(山東省・黄河南岸)の相(しょう)に封じられたとのことであった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あたかも偉大なるヨーロッパの造兵廠(しょう)の精巧なる手によって設計された最新式の魚形水雷のようなものであって、その統一が完成されたあかつきには、それが弱い人間の手によって
『大井川のくじらは、婦人にしてその味を知るなり』と、言うことからそれは別として山鯨、なめくじら、海豚(いるか)に至るまで、その漿(しょう)を舌端に載せてみた。
海豚と河豚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
六日の夜は、流言の如く、又焼打の騒ぎあり、翌七日には、市内全く無警察の象(しょう)を現はしけるが、浅草公園の池にては、咎むる者の無きを機(き)とし、鯉(こい)釣大繁昌との報を得たり。
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
遠くからわかるように、鉦(しょう)や太鼓でたずねるという話は、われわれの子供の頃までよく聞かされたが、交番という便利なものが出来ていたので、実際にはもうなかった。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
答(こた)えは正(ただ)しかったけれど、孝二(こうじ)に賞(しょう)を奪(うば)われて、残念(ざんねん)そうに見(み)えました。そのうちに、いずれも出(で)つくしました。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「眼裏(がんり)塵(ちり)あれば三界は窄(せま)く、心頭(しんとう)無事(ぶじ)なれば一床(しょう)寛(かん)なり」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
ここを以て周遊の念、勃々然(ぼつぼつぜん)として心胸の間を往来し、而(しか)も呻吟(しんぎん)𨀥跙(ししょ)すること、蓋(けだ)しまた年あり。幸いにして今貴国の大軍艦、檣(しょう)を連ねて来り、我が港口に泊し、日たる已(すで)に久し。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「太史(たいし)(史官)の奏上(そうじょう)によると、昨夜は北斗(ほくと)七星が光りを隠(かく)したということである。それは何の祥(しょう)であろう。師にその禍いを攘(はら)う術があるか」
奈良へ行くと猿沢の池の次が、十三鐘(しょう)、所謂(いわゆる)「石子詰(いしこづめ)」の有ったと云われている所であるが、一時間名所を廻って一円の車屋や、名所一廻り三十銭の案内人が
傾城買虎之巻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
葛伯(かつはく)が餉(しょう)に仇(きゅう)すと言い、鄭人(ていじん)が温の麦を刈るといい、イスラエル人が牧場を争うといい、高地のスコットランド人が低地のスコットランド人の牛羊穀物を奪うというの類のごとき
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「商(しょう)よ、お前には私も教えられる。それでこそいっしょに詩の話が出来るというものだ。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
いま孔明の布(し)いた陣には八つの門がある。名づけて、休(きゅう)、生(せい)、傷(しょう)、杜、景(けい)、死(し)、驚(きょう)、開(かい)の八部とし、うち開と休と生の三門は吉。傷と杜と景と死と驚との五門は凶としてある。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「夏(か)の時代には松(しょう)を植えました。殷(いん)の時代には柏(はく)を植えました。周の時代になってからは、栗(りつ)を植えることになりましたが、それは人民を戦慄(せんりつ)させるという意味でございます。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
若(も)し強(し)いて道衍の為に解さば、惟(ただ)是(こ)れ道衍が天に禀(う)くるの気と、自ら負(たの)むの材と、莾々(もうもう)、蕩々(とうとう)、糾々(きゅうきゅう)、昂々(こうこう)として、屈す可(べ)からず、撓(たわ)む可からず、消(しょう)す可からず、抑(おさ)う可からざる者
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ふん、しょせんは糞土の牆(しょう)だろう。無頼は無頼だ。
斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
許(きょ)から葉(しょう)へと出る途すがら、子路が独り孔子の一行に遅(おく)れて畑中の路(みち)を歩いて行くと、蓧(あじか)を荷(にな)うた一人の老人に会った。子路が気軽に会釈(えしゃく)して、夫子を見ざりしや、と問う。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
老妻の手にかけた月の輪熊の醤(しょう)は格別である。
老狸伝 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
開封府(かいほうふ)に居らしめ、第六子楨(てい)を楚(そ)王とし、武昌(ぶしょう)に居らしめ、第七子榑(ふ)を斉(せい)王とし、青州府(せいしゅうふ)に居らしめ、第八子梓(し)を封じて潭(たん)王とし、長沙(ちょうさ)に居(お)き、第九子杞(き)を趙(ちょう)王とせしが、此(こ)は三歳にして殤(しょう)し
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まことに醜態だった、と「中院記」や「玉英記抄(しょう)」も書いている。北朝の廷臣に人材のなかったことが、この一例でもおおいようなく世間に見すかされたことだったろう。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほ、ほ、口惜しそうに、そんなに怖い顔をしたって、駄目の皮さ。たとえ、おまはんが、天狗昇(しょう)、飛び切りの術を心得ていたって、ここからそこまでは五間もある。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
弟、昭(しょう)が跡目をついだ。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春風(はるかぜ)は、遠(とお)くから吹(ふ)いて、遠(とお)くへ去(さ)っていきます。百姓(しょう)が愉快(ゆかい)そうに働(はたら)いています。お姫(ひめ)さまは、なにを見(み)ても珍(めずら)しく、心(こころ)も、身(み)ものびのびとなされました。
お姫さまと乞食の女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここにのせた「母の話(はなし)」は、その追憶風(ついおくふう)の小説『ピエール・ノジエール』の中の一章(しょう)で、これだけ読(よ)めばアナトール・フランスがみんなわかるというようなものではありませんけれど、まずまず
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
蕭(しょう)という姓の家から女(むすめ)をもらって結婚させることにしてあったが、まだ嫁入って来ないうちに没(な)くなったので、代りに細君となるべき女を探していたが、まだ纏(まと)まっていなかった。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
売る者があっても買うものがなければ事は休(や)むわけである。図書出版の殷盛(いんせい)は購求者の多きを證(しょう)するもの。これ今の世において見る不可思議中の不可思議ではないか。
仮寐の夢 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
婉曲(えんきょく)巧妙(こうみょう)なる言葉の下(もと)に骨(ほね)を銷(しょう)することもできる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
燕(えん)王、周(しゅう)王、斉(せい)王、湘(しょう)王、代(だい)王、岷(みん)王等、秘信相通じ、密使互(たがい)に動き、穏やかならぬ流言ありて、朝(ちょう)に聞えたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
残酷の豎儒(じゅじゅ)となし、諸王は太祖の遺体なり、孝康(こうこう)の手足(しゅそく)なりとなし、之(これ)を待つことの厚からずして、周王湘(しょう)王代(だい)王斉(せい)王をして不幸ならしめたるは、朝廷の為(ため)に計る者の過(あやまち)にして
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
パール・エンド・ハーミーズ礁(しょう)の北の沖を、西にむかって、暗礁(あんしょう)をよけて航海中、とつぜん、水平線に黒煙が二すじ三すじ、立ちのぼるのを見た。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
陸上でいちばん美しい動物は、蝶(ちょう)と鳥だといわれているが、この珊瑚礁(しょう)に住む魚の、チョウチョウウオ、スズメダイ、ベラなどの美しさは、私には説明ができない。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
蒋(しょう)閣下のように二百万の兵を殺し国を焦土にして国民を路頭に迷わしても、外国へ亡命すれば向うの銀行に十億近くも預金のある人はいいですがね……われわれ
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
示したかということも……蒋(しょう)主席は米国とどんな条約を結んだか知りませんがね……
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
先師は斉にご滞在中、韶(しょう)をきかれた。そして三月の間それを楽んで、肉の味もおわかりにならないほどであった。その頃、先師はこういわれた。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「夏(か)の暦法を用い、殷(いん)の輅(くるま)に乗り、周の冕(かんむり)をかぶるがいい。舞楽は韶(しょう)がすぐれている。𨜟(てい)の音楽を禁じ、佞人(ねいじん)を遠けることを忘れてはならない。𨜟の音楽はみだらで、佞人は危険だからな。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この前の前、雨の降った日に山荘で落ち合った使いがまたこの日出逢うことになって、大将の随身は式部少輔(しょう)の所でときどき見かける男が来ているのに不審を覚えて
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
式部少輔(しょう)にその返事を渡したそうでございます
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
身を全うし妻子を保(やす)んずることをのみただ念願とする君側の佞人(ねいじん)ばらが、この陵の一失(いっしつ)を取上げてこれを誇大歪曲(わいきょく)しもって上(しょう)の聡明を蔽(おお)おうとしているのは、遺憾(いかん)この上もない。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ワシントン当局者のからくりによって時局が平穏のうちに解決されると、南京政府は中央銀行を設け、上海造幣厰(しょう)を開いた。
大阪万華鏡 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
「ほう、監視班とは、なるほどこれはいいところへ配属されたものだ。『火の玉』少尉の監視哨(しょう)では勿体ないくらいのものだ」
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
シナで嘗(しょう)といっている祭がどうなっているか、シナの民間にも収穫に伴う物忌みの儀式があるかどうか知りたいと思っていたところ、近ごろやっと米についても
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
池の左右に植わっているのは、二株(ふたかぶ)とも垂糸檜(すいしかい)に違いない。それからまた墻(しょう)に寄せては、翠柏(すいはく)の屏(へい)が結んである。その下にあるのは天工のように、石を積んだ築山(つきやま)である。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
対象の世界 次に六境とは、六根の対象になるもので、色(しき)と声(しょう)と香と味と触(そく)と法とであります。六根に対する六つの境界という意味で、六境といったのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
口に腥膻(なまぐさ)を食い、形は沙門の如く心は屠児の如しとまで罵っているが、彼らの中にも真に仏門に帰して、如法の修行を成(しょう)じたものの少くなかったことを疑わぬ。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
鴻雁(こうがん)翔天(しょうてん)の翼(つばさ)あれども栩々(くく)の捷(しょう)なく、丈夫(じょうふ)千里の才あって里閭(りりょ)に栄少(すくな)し、十銭時にあわず銅貨にいやしめらるなぞと、むずかしき愚痴(ぐち)の出所はこんな者とお気が付かれたり。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
弥陀如来が観音勢至以下の聖衆をひきい、雲に乗って念仏行者を来迎引接(しょう)する図で、そこに山や樹木が伴うのだ。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
喰い殺すなんて、そんな馬鹿なことは考えられないし、オイ昌(しょう)ちゃん、やっぱり君の云った通り、こいつは少し変な具合だね
鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
作者は蜀(しょく)の杜光庭(とこうてい)であります。杜光庭は方士(ほうし)で、学者で、唐の末から五代に流れ込み、蜀王の昶(しょう)に親任された人物です。
昔(むか)し洋人はじめて印度(インド)に航する者あり。王に謂(いい)て曰く、臣が国、冬日(とうじつ)あり、水凍結(とうけつ)して晶(しょう)のごとく、鏡のごとく、堅きこと石のごとしと。王己(おのれ)を詐(いつわ)るとなしてこれを殺せり。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
「わたしが何ンの虚言(そらごと)を言いまッしょうか。本当(しょう)のことでござります」
世にいう漁(ぎょ)、樵(しょう)、耕(こう)、牧(ぼく)の四隠のうち、彼のはそのいずれでもない。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
八、九年してから成が忽然(こつぜん)として周の所へ来た。それは黄な巾(ずきん)を冠(かぶ)り鶴の羽で織った氅(しょう)を着た、巌壁の聳(そび)えたったような道士姿であった。周は大いに喜んで臂(うで)を把(と)っていった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
次郎の頭に巻かれた繃帯は、学校じゅうの注目の焦(しょう)点になった。誰もそれを彼の敗北のしるしだと思う者はなかった。このごろ少し落目になっていた彼の勇名は、そのため完全に復活した。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
襟(えり)掻(か)きなおして両眼とじ、おもむろに津軽なまり発したいところさ、など無礼の雑言、かの虚栄の巷(ちまた)の数百の喫茶店、酒の店、おでん支那そば、下っては、やきとり、うなぎの頭、焼(しょう)ちゅう、泡盛(あわもり)
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
而して牂(しょう)奥に生ず〉といえるを『釈文』に西南隅の未地(ひつじのち)といいしは羊を以て未(ひつじ)に配当せしもその由来古し
髪の毛は何時剃刀を入れたとも知れず、蓬々と延びて塵に塗り、猩(しょう)々の毛の様に顔に被さり、皮膚の色は殆ど煤がかった鼠色である。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「正成はただではない。……清忠も言ったな、気鬱(きうつ)の症(しょう)だと。……おそらくはひどい気鬱なのだろう。しばらく病養を命じおくがいい」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだったらうれしいが、あまりうますぎて、真正(しょう)のこととは思えない」とつぶやいた。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
忽(たちま)チ人ノ余ガ姓名ヲ問フモノアルヲ聞キ、乃チ睫(しょう)ヲ開イテコレヲ見レバ、白河ノ駅吏ノ来リ迎フルナリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
近頃は、精(しょう)も根(こん)も、衰えたように、痩(や)せが目についてきた。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
士気、用兵の敏捷(びんしょう)、もとより操と紹(しょう)との違いもありましょうが、要するに、曹軍の奇兵が、袁紹側の烏巣(うそう)の兵糧を焼き払ったことが、まずあの大捷を
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人とも紅い綃(しょう)の鉢巻をして、髻(もとどり)に雉(きじ)の尾を挿し、紫の小袖を着、腰に緑の錦を束ね、一方の手に弾(はじきゆみ)を持ち、一方の手に青い臂(ひじ)かけをしていた。
西湖主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
或(あるい)は聖(しょう)観音ともいわれる。すべての飛鳥仏のごとく下ぶくれのゆったりした風貌(ふうぼう)、茫漠(ぼうばく)とした表情のまま左手に壺(つぼ)をさげて悠然(ゆうぜん)直立している。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
永い歳月を経て定まった衣(い)と裳(しょう)との形があることをも考えず、何でも見れば真似(まね)をして、上から上からと色々の余分のものを取り重ね、羽織だコートだ合羽(かっぱ)だ塵(ちり)よけだと
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
其(その)詳(しょう)を知らんとするものは、明史(みんし)及び明朝紀事本末(みんちょうきじほんまつ)等(ら)に就きて考うべし。今たゞ其概略(がいりゃく)と燕王恵帝の性格風丰(ふうぼう)を知る可(べ)きものとを記せん。燕王もと智勇天縦(ちゆうてんしょう)、且(かつ)夙(つと)に征戦に習う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
門末の私が先生について敢(あえ)て論讚にわたる言をなすのは、おのずから僭越(せんえつ)の誚(しょう)を免れず、不遜の罪を免れぬであろう。
呉秀三先生 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
会稽(かいけい)に万(ばん)という姓の男があった。それは邵(しょう)の母がたのいとこであったが、強くて弓が上手であった。ある日万は邵の家へ来た。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
鍾(しょう) 死して 其(その)琴(こと)を破れるを。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「馬鹿者、何をする」と絶叫して、飛鳥のように身を跳らせたと見ると、五郎兵衛は突放されて仰さまに顛倒(てんとう)し、銀造の持った大剣は二三間飛んで、道の上に鏘(しょう)と鳴った。
入婿十万両 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
詔書の文は魏王曹操の大功を頒(しょう)し、嗣子(しし)曹丕(そうひ)に対して、父の王位を即(つ)ぐことを命ぜられたもので——建安二十五年春二月詔(みことのり)すと明らかにむすんである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)