“しょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ショウ
語句割合
18.9%
12.5%
9.3%
6.2%
4.8%
3.3%
3.2%
3.1%
3.1%
3.0%
(他:285)32.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その英吉が、金のしょう、お妙が、土性であることは、あらかじめお蔦がうつくしい指の節から、寅卯戌亥とらういぬいと繰出したものである。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
情けなくなるわ……なぜかと聞かれても困るんだけど、あたしだってしょうのある生物ですから、腹のたつこともあれば、癪にさわることもあるのよ。
猪鹿蝶 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
因縁果の理法によって出来たものとすれば、その因と縁を突き止め、その善きを加え継ぐことによって極楽はいよいよ続き、地獄はそのしょうを失う。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
もし事実として、浪に引入るるものがあれば、それはしょうあるもの、形あるもの、云うまでもありません、心あり魂あり、声あるものに違いない。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茂太郎の予報から約一刻ひとときも経て、果して田山白雲のしょうのものが、月ノ浦の港の浜辺に現われて、船をめがけて大きな声をあげました。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「憎き者ども、わが子のかたき、七しょうまでたたりくれん」など囈言たわごとを吐くより、五人は生きたる心地もなく再び南山にとって返し
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「そうですとも、ああいうところへは馬鹿は馬鹿なりに、悪人は悪人なりに、しょうのまま持って行ってお目にかけるよりほかは仕方がござんせんな」
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しょうちゃん、はやくいらっしゃい。」と、おかあさんは、かおあらっていた、正二しょうじくんをおびになりました。
小さなねじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
としちゃんに、しょうちゃん、きみは、どうしたんだい、ななかったのかい。不思議ふしぎだなあ……。」と、少年しょうねん
町の天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
御座は年忌ねんきでなくとも僧をしょうじ、説教を聴聞ちょうもんする人寄ひとよせであるが、やはり法事のように食物が出たものと思われる。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「わたくしから、玉清観の道主におすがりしたのじゃ。天下の道士をしょうじて香を焚き、行を営んで、鬼神のお怒りをなだめていただくように」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほどなく、玄徳の一行は、江岸の兵に案内されて、中軍の営門を通ってきた。周瑜は出て、賓礼ひんれいを執り、帳中にしょうじては玄徳に上座を譲った。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その詰めたり何かする間にも、しょう篳篥ひちりきのごとき笛を吹き太鼓を打ち、誠に殊勝なる経文を唱えてなかなかありがたく見えて居ります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
おおかた、天平てんぴょうの昔のようにしょう篳篥ひちりきの楽器をならべて、その清女たちが、神楽かぐらの稽古をしているのであろう。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
町はずれの住んだ家に来て見れば母屋づくりの立派な一棟ひとむねのなかから、しょう吹く音いろがきこえ、おとなうことすらできなかった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「いやすでに、前代楠木正遠が、北河内の玉櫛たまくししょうの出屋敷にあって、あの辺りの散所を支配していた頃からのよしみでおざった」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わしは長年、竹山城の御城下宮本村から、しもしょうの辺りへは、ようあさの買い出しに行くが、近頃、さる所でふと、噂を聞いてな」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも今は——さきに浅井長政の室であった信長の妹お市の方をその後妻にむかえて、越前きたしょうを居城とし、所領三十余万石という大身である。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならず家康のしょうまんかたも彼女の生んだ頼宣よりのぶのために一時は彼に年ごとに二百両の金を合力ごうりょくしていた。
古千屋 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
源次 だがのう。一とうしょうさいというて、盗み食いする味は、また別じゃというほどに、人の女房とても捨てたものではない。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
妻を離別するも可なり、しょうやしなうも可なり、一妾にして足らざれば二妾も可なり、二妾三妾随時随意にこれを取替え引替うるもまた可なり。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
としとった百しょうは、したき、あおけむりをただよわして、えるをじっとて、きいていましたが、
とうげの茶屋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶんは、田舎いなかにいれば、いまごろ、くわをって百しょうをしているんだが。」と、達吉たつきちかんがえました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
太吉たきちじいさんは、百しょうが、かさをかぶって、ゆみってっている、かがしをつくる名人めいじんでした。
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
かつ貴州きしゅう金竺きんちく長官司羅永菴しらえいあんへきに題したまえる七律二章の如き、皆しょうす可し。其二に曰く、
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
といえる有様の歴々ありありと目前に現われ、しかも妾は禹の位置に立ちて、禹の言葉を口にしょうし、竜をしてつい辟易へきえきせしめぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
女流詩人らが息を切らし汗を流しながら、シュリー・プリュドンムやオーギュスト・ドルシャンの詩句を、朦朧もうろうたる調子でしょうした。
いやしくも我国民の元気を養い、その独立精神を発達し、これを以てこれがしょうに当るに非らざれば、帝国の独立、誠に期し難し(謹聴々々)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
長門ながとは山陽の西陬せいすう僻在へきざいす、しこうして萩城連山のきたおおい、渤海ぼっかいしょうに当る。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
このごろ、あなたがしょうにあたっておいででないという事が、新婦人協会の内部うちわもめをおこしたというのを聞き、今更と思う思いがいたしました。
平塚明子(らいてう) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
軍隊の襯衣シャツ縫いと足袋の底刺しが一日十何銭、米が一しょう十銭といったような言葉がまだ六歳の私の耳に一種の凄愴味を帯びて泌み込むようになった。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただあやまるだけで済めばいが、酒を五しょうにわとりと魚か何かをもって来て、それで手をうって塾中でおおいに飲みました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しかるに場合によるとその枡より大きな一斗五しょうますで取立てる事もあり、また七升五合枡で取立てる事もあるから、納税者にとっては大変幸不幸がある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
その門之丞は、さっき、しきりに源三郎に心を残す玄心斎、谷大八の二人とともに、どこか控えの間へしょうじ去られたきり、なんの音沙汰もない。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「お聞きの通りでござりますが、こちらから出向いたものでございましょうか、それとも、書面でもつかわして、密かにここへしょうじ寄せましょうか」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隠密おんみつのものは、ろくは高いが士格しかくとしては下輩げはいなので、めったに、こういう席にしょうじられることはない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で始めにはチベット流の音楽、ちょうど日本のしょう篳篥ひちりき及び太鼓たいこようなもの〔音調そのまま〕で行列を整えて参ります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
しょうの音が起って騒がしかった堂の中が静かになってきた。ぬいとりのある衣服を着てかつぎをした女が侍女に取り巻かれて出てきた。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
諸侯だいみょう別業しもやしきで、一器ひとつ、六方石の、その光沢ひかり水晶にして、天然にしょうの形をしたのがある。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
踏む石は天鵞毧びろうどのごとくやわらかと見えて、足音をしょうにこれをりっすれば、動かぬと評しても差支さしつかえない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
浅井了意あさいりょうい戸田茂睡とだもすい井原西鶴いはらさいかくの著作いづれもそのしょうとなすに足る。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
又「隠しはしねえ、僕が真実ほんとに預り証書を持って居ても、これをしょうにして訴える訳にはいかん、三百円貰ったのがあやまりだから仕方がねえ、役に立たぬ証書じゃねえか」
さらには、げんしょう二、阮小五、阮小七、白勝はくしょうといったような頭立かしらだったもの十七人に、部下百余人の徒党だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しょう松浦王はまだ立ったままだが、温和な微笑をかおに漂わして、謙遜に、しかも何処かに闊達な意気をひそめている。口数が極めて少い。やさしい眼だ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
観音丸かんのんまるは船体しょうにして、下等室はわずかに三十余人をれて肩摩けんますべく、甲板デッキは百人をきてあまりあるべし。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とドノバンがいった。じっさいそれは、アメリカだちょうと、しょうせらるるものであった。全身は灰色で、その肉は佳味かみをもってしょうせらる。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
僕の知れるぼう貴夫人はすこぶる高潔なる家庭に人となり、貞淑ていしゅくをもってしょうせられているが、あるとき僕に、
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
古来から極めて尊重されて来た「百姓」というしょうを、かくの如く、あいてを罵る場合や、軽蔑の意味につかい始めて来たのも、江戸に住む近頃の小市民からであった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一方、それよりも急速に、二度目の勅使が、徐州城へ勅命をもたらした。玄徳は、城を出て迎え、しょうを拝して、後に、諸臣にはかった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あくる日、しょうは、上清宮の神扉しんぴ深きところの、宸翰しんかん箱にまつり封ぜられ、式を終って、夜は一山の大饗宴だいきょうえんに移った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この上は、ぜひもない、勅願のしょうを、上清宮じょうせいぐうの本殿に納め奉って、一日もはやく、都へ帰ろう」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「音楽が正しくなり、しょうもそれぞれその所を得て誤用されないようになったのは、私が衛から魯に帰って来たあとのことだ。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
かく日々に切なる渇仰かつごうの念は、ついに彼を駆って伯をしょうする詩を作ることを思い立たしめた。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
侍中の王粲おうさんは、曹操の徳をしょうした長詩をつくって、これを侍側の手から彼に見せたりした。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
去年の夏だ、八田潟はったがたね、あすこから宇木村うのきむらへ渡ッて、能登のと海浜かいひんしょうさぐろうと思って、うちを出たのが六月の、あれは十日……だったかな。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同級生は皆月の瀬のしょうを説いていたが、余は黙って、根岸庵小会の清興を心に繰返えしていた。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
米子の滝のしょうかたりて、ここへ来しみちなる須坂より遠からずとおしえらる。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
数百頭の馬の背が暗い河原にならんで雨に打たれていた。夜が明けたら川を越えるばかりにして兵もしょう甲冑かっちゅうをつけたまま小屋や幕の蔭に眠っている。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正直しょうじきにいうと、僕はこの敗軍のしょうに対する同情と敬愛の念は、かれの軍を敗り、彼をして軍門にくだらしめたグラント将軍より、いっそう強く常に懐しく思っている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「父はもと甲州二十七しょうの一人であったが、拙者のだいとなってからは天下の浪人ろうにん大津おおつの町で弓術きゅうじゅつ指南しなんをしている山県蔦之助ともうすものじゃ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春宵の夢魂、まだ醒めやらぬ顔して、董卓は、その巨躯を、鴛鴦えんおうしょうに横たえていたので、唐突な彼の跫音に、びっくりして身を起した。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてしばらく様子を見ていたが、また大いびきをかいて寝入ったらしいので、自分もそっと、ふすまを打ちかついでしょうのうえに横たわっていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「無礼な奴、誰だ?」と一族の者が覗いてみると、孟獲の妻の祝融夫しゅくゆう人が、しょうって長々と昼寝していたのである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぴんしょう、少し大きなくしゃみをしても、とかく人気を呼びたがる役者にからまったできごとなのです。
右門捕物帖:23 幽霊水 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
やっと彼女をなだめ得ただけでも村重はほっとした顔であった。かえって彼の方から話をほかにまぎらわせたりして、ようやく室殿の一びんしょうを拾うの有様であった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現状の柳営では、五人の老中の言葉よりも、出羽守の一びんしょうの方が、御表をも、大奥をも、左右している有様だし、将軍家に至っては、まるで彼のあやつる糸のままに感情があらわされる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「冗談じゃない。このあたり三百里四方きッての、しょうのおあるじだアね。つまり地頭じとうの大旦那さまだ。よく拝んでおきなせえ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あくる朝、ここを立つさい、彼は篠村八幡宮へ佐伯さえきしょうの一部を寄進して、所願成就しょがんじょうじゅの祈りをこめた。そのとき今川範国のりくにが、
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其の頼み切った家臣の安富元家を此処の南のしょうの奉行にしたが、政元の威権と元家の名誉とを以てしても
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そしてその形式はいずれもしょう家の神社なる聞得大君きこえおおぎみ御殿おどんにまねて祖先の神と火の神と鉄の神とを祭らしたのであります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
玉御殿たまうどうん始め、城趾じょうしや寺院や拝所や、それにしょう侯邸も今は昔語りかと思うと、泣くに泣かれません。
沖縄の思い出 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ちょうど故しょう男爵の蒐蔵をて、自分が感じたような大きな驚きを、昔も経験した人が非常に多かったか。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「俺も見たよ、松火の火をな」年長の傀儡師は頷いた。「諸方の国境で誘拐した、工人どもを警護して、兵器しょうへ送る連中の松火の火だと睨んだがな」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
このあたり人け少なく、燈火ともしびまばらにして、一方に建てつらねたる造兵しょうの影黒く地に敷き、一方には街燈の立ちたるが、薄月夜ほどの光を地に落とし、やせたるいぬありて、地をかぎて行けり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
すると、今度はトムボラ氏が、彼の祖国のイタリー統一は、あたかも偉大なるヨーロッパの造兵しょうの精巧なる手によって設計された最新式の魚形水雷のようなものであって、その統一が完成されたあかつきには、それが弱い人間の手によって
『大井川のくじらは、婦人にしてその味を知るなり』と、言うことからそれは別として山鯨、なめくじら、海豚いるかに至るまで、その漿しょうを舌端に載せてみた。
海豚と河豚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
一刻も早く狸肉に接して、その漿しょう賞翫しょうがんしたいと思つてゐるのだが、なか/\本ものが出てこないのである。
たぬき汁 (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
一刻も早く狸肉に接して、その漿しょう賞翫しょうがんしたいと思っているのだが、なかなか本ものが出てこないのである。
たぬき汁 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
漢の鄒陽の上書中に、燕人蘇秦が他邦から入りて燕にしょうたるをにくみ讒せしも燕王聞き入れず、更に秦を重んじ駃騠けっていを食わせたとある。
わけても、陣中常に赤い甲冑を着て通った武騎校尉曹操そうそうも、功によって、済南さいなん(山東省・黄河南岸)のしょうに封じられたとのことであった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
○ 羿==古代有窮国の君主で弓の名人であつた。夏の王、しょうを亡ぼして天子の位を奪つたが、後、臣寒さくに殺された。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
このきわめて安価なる気燄家きえんかは、太平のしょうを具したる春の日にもっとも調和せる一彩色である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
六日の夜は、流言の如く、又焼打の騒ぎあり、翌七日には、市内全く無警察のしょうを現はしけるが、浅草公園の池にては、咎むる者の無きをとし、こい釣大繁昌との報を得たり。
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
孔子、晩にして易をこのみ、たんけいしょう説卦せっか文言ぶんげんついず。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
『馬琴日記しょう』の跋文ばつぶんにも、馬琴に向って、君の真価は動かない、君の永遠なる生命は依然としている、としています。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
湘王しょうおうはくいつわりてしょうを造り、及びほしいままに人を殺すを以て、ちょくくだして之を責め、兵をってとらえしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
良人の写した方の題簽には「しょう」という字が付いている、たぶん原本からなにか鈔録しょうろくしているのであろう、写し終えて綴じたものがもう六冊あまりもある筈だ。
日本婦道記:風鈴 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
(奪い取り合ううち、松明はぱったり地に落ちる。舞台は薄闇。二人はおもわず寄り添う。源右衛門の家よりしょうの音。)
取返し物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
遠くからわかるように、しょうや太鼓でたずねるという話は、われわれの子供の頃までよく聞かされたが、交番という便利なものが出来ていたので、実際にはもうなかった。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
風が土砂どしゃをふきとばし、博士の襟元えりもとにざらざらとはいって来た。どこかでしょうの音がするようだ。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)