“一失”の読み方と例文
読み方割合
いっしつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが、外側は注意深くふき取ったにも拘らず、千慮せんりょ一失いっしつでしょうか、中のクリームの表面に、実にハッキリと指紋が残っている。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
私は平塚さんたちのいわゆる「道徳的な家庭婦人の立場」が、そのような旧道徳の中にあろうと想われません。恐らくそれは智者にも免れない千慮せんりょ一失いっしつでしょう。
新婦人協会の請願運動 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
身を全うし妻子をやすんずることをのみただ念願とする君側の佞人ねいじんばらが、この陵の一失いっしつを取上げてこれを誇大歪曲わいきょくしもってしょうの聡明をおおおうとしているのは、遺憾いかんこの上もない。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)