“気鬱”のいろいろな読み方と例文
旧字:氣鬱
読み方割合
きうつ84.2%
きふさ5.3%
きぶせ5.3%
けうと5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「正成はただではない。……清忠も言ったな、気鬱きうつしょうだと。……おそらくはひどい気鬱なのだろう。しばらく病養を命じおくがいい」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
直して、もうおやすみなさいましてはいかがですえ。娘や、おまえも、たんまりと愉しみなよ。そして朝になってごらん。女ってえものは、すっかり気鬱きふさぎ病なんかなおってしまっているものさね。……ほほほ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
結婚してからも、どうかすると、おゆうから離されて、房吉が気鬱きぶせな母親の側に寝かされたり、おゆうが夜おそくまで、母親の側に坐って、足腰を揉ませられたりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
『ゆるせ。旅の間が、この久右衛門の実は極楽、山科の家へ帰れば、女房子の気鬱けうとい顔、借金取のうるさい訪れ、やれ何だのかだのと、伸々のびのびと、骨伸ばしもならぬのじゃ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)