“暗鬱”の読み方と例文
読み方割合
あんうつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
相模灘を圧している水平線の腰の辺りには、雨をでも含んでいそうな、暗鬱あんうつな雲が低迷していた。もう、午後四時を廻っていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
暗鬱あんうつな日がやがて暮れてしまった。省三は机の前に坐っていた。彼は夕飯に往こうともしなければ、細君の方からも呼びに来もしなかった。
水郷異聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そこでも、味いあますがゆえにいつも暗鬱あんうつな未練を残している人間と、飽和に達するがゆえに明色の恬淡にさえる人間とは極端な対象を做した。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)