“暗誦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あんしょう78.1%
そらん11.0%
あんしよう2.7%
そらよみ2.7%
あんせう1.4%
そら1.4%
そらよ1.4%
そらんじ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と堀尾君は計算を暗誦あんしょうしているように述べて、米の相場次第だが、金利の見積りから、先ず十万近くの財産が貰える勘定だと言った。
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
汝は、いとけなき頃より兵書を読んで、さいひいで、よく戦策を暗誦そらんじ、もまた、教うるにやぶさかでなかった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今朝から同じ事を何遍も繰り返したらしい親仁は、神田で鳴らした御用聞の顏を見ると、暗誦あんしようするやうな調子で、斯う始めるのでした。
「たれも真にうける者はないでしょう。試みに、御身がまず自分で暗誦そらよみしてごらんなさい。できますか」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほとん暗誦あんせうした雨月物語うげつものがたり青頭巾あをづきん全章ぜんしやうを、ゆきにむせつゝたからかに朗讀らうどくした。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その祖母なる人はものの記憶よかりし人にて「八犬傳」など芳柳閣の邊迄暗誦そらんじ居て、求むれば何時も高らかにして聞かせ給ひぬ。「平家物語」の幾章も亦かくしてわれは聞き覺えしなり。
柔らかい白のあやに薄紫を重ねて、あいがかった直衣のうしを、帯もゆるくおおように締めた姿で立ち「釈迦牟尼仏弟子しゃかむにぶつでし」と名のって経文を暗誦そらよみしている声もきわめて優雅に聞こえた。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
永らくの間心の中にあって、しばしば繰り返していた文章を、暗誦そらんじたというようなところがあった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)