“暗中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あんちゅう43.5%
くらがり17.4%
あんちゆう13.0%
やみ13.0%
くらやみ8.7%
あんちう4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところがだんだんとりおろして来て、いよいよ零に近くなった時、突然として暗中あんちゅうからおどり出した。こいつは死ぬぞと云う考えが躍り出した。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、広間の暗中くらがりに吸込まれて、誰も居ない。そのこぼれた裾、肩が、女まじりに廊下に背ばかりで入乱れる。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われにぎつて、さうまなこあきらかにさいを、多勢たぜい暗中あんちゆう摸索もさくして、ちやうか、はんか、せいか、か、と喧々がや/\さわてるほど可笑をかしことい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あれはと認むるひまも無く、いなずま? ふっと暗中やみに消え、やがて泰助の面前に白き女の顔あらわれ、ぬぐいたらむ様にまた消えて、障子にさばく乱髪のさらさらという音あり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「もうちっと驚かなくっちゃあ。……いきなり、お能の舞台から墓所じゃアありませんか。そこへ私が暗中くらやみに出たんだもの。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
の手紙を見て、何様顏をしてゐるか………おツと、其様なことは何うでも可いとして、これから小時暗中あんちう飛躍ひやくと出掛けるんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)