“あんちゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
暗中55.6%
闇中44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今は疑ふべき心もせて、御坊様、と呼びつゝ、紫玉が暗中あんちゅうすかして、声するかたに、すがるやうに寄ると思ふと
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と雪江さんの吃驚びッくりしたような声がして、大方おおかた振向いたのだろう、かおの輪廓だけが微白ほのじろ暗中あんちゅうに見えた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
最先さきに歩めるかの二人が今しもまちの端にいたれる時、闇中あんちゅうを歩めるかの黒影は猛然と暗を離れて、二人を追いぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
闇中あんちゅうからのそりと出て来た、旅すがたは平民的……いつかは奴茶屋やっこぢゃやの前まで来ておりました。その奴茶屋の縁台に腰打ちかけ休んでいた一人の発言でした。