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闇中
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あんちゅう
ふりがな文庫
“
闇中
(
あんちゅう
)” の例文
御製では、「
闇
(
くら
)
けくに夜のほどろにも鳴きわたるかも」に中心があり、
闇中
(
あんちゅう
)
の雁、暁天に向う夜の雁を詠歎したもうたのに特色がある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
イバンスは銃をとってごうぜん一発うったが、
弾
(
たま
)
はむなしく音を立てて
闇中
(
あんちゅう
)
をとび、手ごたえはさらになかった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
最先
(
さき
)
に歩めるかの二人が今しも
街
(
まち
)
の端にいたれる時、
闇中
(
あんちゅう
)
を歩めるかの黒影は猛然と暗を離れて、二人を追いぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
闇中
(
あんちゅう
)
からのそりと出て来た、旅すがたは平民的……いつかは
奴茶屋
(
やっこぢゃや
)
の前まで来ておりました。その奴茶屋の縁台に腰打ちかけ休んでいた一人の発言でした。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
巨人知らず
闇中
(
あんちゅう
)
鉄棒もて縫工を打ち殺さんとして空しく寝床を砕く、さて
早
(
はや
)
殺しやったと安心して翌朝見れば縫工
恙
(
つつが
)
なく生き居るので巨人怖れて逃げ去った
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
かの女は「
闇中
(
あんちゅう
)
に
金屑
(
かなくず
)
を踏む」といふ東洋の哲人の
綺麗
(
きれい
)
な詩句を思ひ出し、秘密で高踏的な気持ちで、粒々の花の
撒
(
まき
)
ものを踏み越した。そして葉の
緻密
(
ちみつ
)
な
紫葳
(
のうぜんかずら
)
のアーチを抜けた。
夏の夜の夢
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
と、墨の様な
闇中
(
あんちゅう
)
に、
真紅
(
まっか
)
の
紐
(
ひも
)
とも見える細い一筋の光線を発見した、オヤと思って見直すと、板壁に小さな節穴があって、そこから例の赤電燈の光が洩れていることが分った。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは
蛞蝓
(
なめくじ
)
であった。
夜
(
よる
)
行くのに、道に蛞蝓がいると、
闇中
(
あんちゅう
)
においてこれを知った。門人の
随
(
したが
)
い行くものが、
燈火
(
ともしび
)
を以て照し見て驚くことがあったそうである。これも同じ文に見えている。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
闇
常用漢字
中学
部首:⾨
17画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“闇”で始まる語句
闇
闇夜
闇黒
闇路
闇雲
闇屋
闇穴道
闇々
闇打
闇暗