“闇黒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あんこく44.4%
やみ28.6%
くらやみ14.3%
くらがり7.9%
まっくら3.2%
くらき1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一インチさきの闇黒あんこくに待っている喜怒哀楽の現象を、すべて容易に予知し、判読し、対策し転換を図ることができると知ったのである。
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
道理で、辻斬りが流行はやるというのにこのごろはなお何かに呼ばれるように左膳は夜ごとの闇黒やみに迷い出る——もう一口ひとふりの刀さがしに!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
木遣きやりでも出そうな騒ぎ。やがて、総がかりで女をかつごうとしていると、そばの闇黒くらやみから、りんとして科白せりふもどきの声が響いた。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
かの寒い国でどこからも日の射さないような、昼でもほとんど真っ闇黒くらがりというような中に入れられて居るので衛生も糸瓜へちまもありゃあしない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
闇黒まっくらであった空の涯が紫陽花あじさい色に色づいた。其時、老人は、初めて見た。彼を迎えの短艇の姿を! 短艇はグングン波を切って、彼の居る窓の方へ近づいて来る。八人乗りの短艇らしい。
死の航海 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
忽ち前方の闇黒くらき中に灯火が一点浮かび出た。人魂のように左右に揺れ、そのまま消えて闇となった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)