“黒闇々”の読み方と例文
読み方割合
こくあんあん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この谷間の、この部分だけは白昼のように明るいけれども、周囲は黒闇々こくあんあんに近い山々。僅かに二日の月が都留つるの山のに姿を見せているばかりです。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
旋風せんぷうにあおられたたこは、つりかごを前後左右にかたむけゆりあげて、黒闇々こくあんあんのなかを飛んでゆく。はげしい動揺どうようのために富士男は眼のくらむのをおぼえた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
穴のごとく、その底よりは風の吹き出づると思う黒闇々こくあんあんたる坂下より、ものののぼるようなれば、ここにあらば捕えられむと恐しく、とこうの思慮もなさで社の裏の狭きなかににげ入りつ。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)