“まっくら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
真暗74.3%
真闇17.8%
暗黒2.3%
真黒1.9%
暗闇1.4%
真黯0.9%
闇黒0.9%
真闇黒0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空は真暗まっくらに曇って、今にも雨が降って来そうに思われながら、烈風に吹きちぎられた乱雲の間から星影が見えてはまた隠れてしまう。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私はやっと落着いて、胸の動悸をしずめて真闇まっくらになったトンネルを手捜てさぐりで歩き出した。どこへ行くかわからないまま……。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
穴倉の中は暗黒まっくらであった。蝋燭の火がちらちらと動いてわずかに探り見られた。しかし底に降りると恐ろしい胸のむかつくような臭気が鼻をついた。
夜中やちゅう真黒まっくらな中に坐禅ということをしていたのか、坐りながら眠っていたのか、眠りながら坐っていたのか、今夜だけ偶然にこういうていであったのか、始終こうなのか、とあやしまどうた。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この暗闇まっくらな坂を下りて、細い谷道を伝って、茗荷谷みょうがだにむこうあがって七八丁行けば小日向台町こびなただいまちの余が家へ帰られるのだが、向へ上がるまでがちと気味がわるい。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「このまあ真黯まっくらなのにどこへ行こうての? え、仙太様、仙太様。」
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
外は咫尺しせきべんじないほど闇黒まっくらだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
道幅二間ばかりの寂しい町で、(産婆)と書いた軒燈がすが二階造の家の前についている計りで、暗夜やみよなら真闇黒まっくらな筋である。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)