“軒燈”のいろいろな読み方と例文
新字:軒灯
読み方割合
けんとう78.4%
ともしび5.4%
ガス2.7%
あかり2.7%
がす2.7%
がすとう2.7%
けんどう2.7%
のきラムプ2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私恐いものだから、それに暗いので、よく見なかったけれど、でも、私の家の軒燈けんとうの光で、チラッと口の所だけ見てしまったのよ。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
餓ゑた時程人のかしこくなる時はない。渠は力の抜けた足を急がせて、支庁坂をりきつたが、左に曲ると両側の軒燈ともしび明るい真砂町の通衢とほり
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
種夫に着物を着更えさせて、電車で駒形こまがたへ行った時は、橋本とした軒燈ガスが石垣の上に光り始めていた。三吉は子供を抱きかかえて、勾配こうばいの急な石段を上った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
道幅二間ばかりの寂しい町で、(産婆)と書いた軒燈がすが二階造の家の前についている計りで、暗夜やみよなら真闇黒まっくらな筋である。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
怪しげな軒燈がすとうの出ている料理屋の前などを通って、それから用水の橋のたもとへといつも出る。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
両側の家の軒燈けんどうのまたたいて居る大道だいだうを、南へ南へと引いて行かれるのでした。みなとの橋を渡りますと正面に見える大きい家でにはとりきました。何時いつにか私は母にりかかつて眠りました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
行き行きて車はこの小路の尽頭はづれを北に折れ、やや広きとほりでしを、わづかに走りて又西にり、その南側の半程なかほど箕輪みのわしるしたる軒燈のきラムプを掲げて、剡竹そぎだけを飾れる門構もんがまへの内に挽入ひきいれたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)