“軒行燈”のいろいろな読み方と例文
新字:軒行灯
読み方割合
のきあんどん85.7%
のきあんどう14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
隣地の町角に、平屋だての小料理屋の、夏は氷店こおりみせになりそうなのがあるのと、通りを隔てた一方の角の二階屋に、お泊宿の軒行燈のきあんどんが見える。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大湯の八間燈はちけんや宿屋の軒行燈のきあんどんにちょうど灯の入る刻限なので、退屈な温泉の客と入りこんでくる旅人が、たちまち輪になって、会田屋の前をふさいでしまった。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このあいだから男の身を案じ暮らしていたお園は、薄暗い軒行燈のきあんどうの下にしょんぼりと立っている六三郎の寂しい影を見た時に、涙がまず突っ掛けるようにこぼれて来た。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おおおお、三人が手をひきッこで歩行あるいてきます……仲の町も人通りが少いなあ、どうじゃろう、景気の悪い。ちらりほらりで軒行燈のきあんどうに影が映る、——海老屋えびやの表は真暗まっくらだ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)