“ガス”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:がす
語句割合
瓦斯93.4%
海霧3.2%
潮霧0.9%
濃霧0.9%
街燈0.6%
軒燈0.3%
水蒸氣0.3%
腐朽霧気0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その日は春と言っても、少し薄寒かったので、コーヒーを入れた後の瓦斯ガスストーブを、そのままけっ放しにして居たことは事実だ。
死の予告 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
それは、宵の口に帰港した千島帰りの一トロール船が、大きなうねりに揺られながら、海霧ガスの深い沖合にいかりをおろしている釧路丸を見たと云う。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
風が東に𢌞つて潮霧ガスが襲つて來るのだと氣がついた時には、その黒かつたものは黒眞珠のやうな銀灰色に光つて二三町と思はれる距離に逼つてゐた。
潮霧 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
それは、忘れもしない六月二日の朝、濃霧ガスれ間に、日本国駆逐艦の艦影を望見したので、ともかく、衝角だけは免れようと、急速な潜水をはじめたのです。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
街燈ガスの火ばかし見えるんですよ……あとは真暗なんです」
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
種夫に着物を着更えさせて、電車で駒形こまがたへ行った時は、橋本とした軒燈ガスが石垣の上に光り始めていた。三吉は子供を抱きかかえて、勾配こうばいの急な石段を上った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
未だ日の暮れないうちから、軒燈ガスける人が往来をけ歩いた。町はチラチラ光って来た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼は二三度空を見上げたが、ただ寒さは感じたばかりで、朗な日光にも刻々に變化して行く水蒸氣ガスの美觀にも少しも心を動かされなかツた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ここへは、米国コロンビア大学の薬学部長ラマビー博士一行が探検したが、ついに瘴癘湿熱しょうれいしつねつ腐朽霧気ガス地帯から撃退されている。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)