動かぬ鯨群うごかぬげいぐん
「どかんと一発撃てば、それでもう、三十円丸儲けさ」 いつでも酔って来るとその女は、そう云ってマドロス達を相手に、死んだ夫の話をはじめる。捕鯨船北海丸の砲手で、小森安吉と云うのが、その夫の名前だった。成 …