動かぬ鯨群うごかぬげいぐん
「どかんと一発撃てば、それでもう、三十円丸儲けさ」 いつでも酔って来るとその女は、そう云ってマドロス達を相手に、死んだ夫の話をはじめる。捕鯨船北海丸の砲手で、小森安吉と云うのが、その夫の名前だった。成る程女の云うように、生きている頃は、一発 …
作品に特徴的な語句
甲板そと 船長マスター 酒場みせ 速力そくど 陽光ひかげ 昨夜ゆんべ ノット 船首おもて たぐ 光芒ひかり 前檣マスト 扉口ドア 移牒うつ 薄暗うすやみ 云々しかじか 宮守やもり 根室ここ 甲板デッキ 眼配めくばせ ふなべり 船側サイド 船首みよし 苦笑にがわらい 轆轤かぐらさん 雪崩なだ もた 丸辰まるたつ そば かし 出張でば 出漁 午下ひるさが 受信きき 呆気あっけ 周囲まわり 喋舌しゃべ あえ つぐ トン 固唾かたず へや うち 容易たやす 小母おば 尻穂しっぽ 岩倉いわくら ついで 彷徨さまよ ドア 扉口とぐち 択捉えとろふ 昨日きのう 時化しけ 時坊ときぼう 東屋あずまや とし 法螺ほら 流石さすが カイリ 浮流うきなが 海豚いるか 海霧ガス 滅入めい みなぎ よど 発見みつ 眉宇びう いか 硝子ガラス たた 突創つききず 縮尻しくじり 美代みよ あく 船橋ブリッジ 蓬々ぼうぼう 虱潰しらみつぶ 行会ゆきあ 行衛ゆくえ すべ 覿面てきめん にせ あたり 追々おいおい 退 みち 達磨だるま もり 銛砲せんぽう 銛綱せんこう いかり 階下した せき