“固唾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたず70.6%
かたづ29.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
成行如何いかに固唾かたずを呑んで居りましたが、二人は睨み合ったままスーッと別れて、紺野は玄関の方へ、香椎は客間の方へ足を返します。
向日葵の眼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
しいんと一斉に固唾かたずを呑んだ黒い影をそよがせて、真青まっさおな月光に染まっている障子の表をさっとひとで冷たい夜風が撫でていった。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
見物も此の場の成行きに固唾かたづんでなりを沈めて居るものゝ、そろ/\舞台に穴があきさうになつて来るので気が気でなくなつて来た
(新字旧仮名) / 喜多村緑郎(著)
お霜は大きく眼を開いて、ゴクリと固唾かたづを呑みました。忠義者には相違ないまでも、お春に比べると、何となく神經のにぶさうな女です。