“固練”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたね50.0%
かたねり50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あれは江戸の夏のものですよ。固練かたねりのいいのを貰ったのがあります。息つぎに一杯あっためさせますから、あなたもお附き合いなさい」
半七捕物帳:34 雷獣と蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
きたない風呂敷に包んだ箱を肩に引っかけて、あま酒の固練かたねりと云って売りあるく。それだけならば別に不思議はないんですが、この婆さんは決して昼は出て来ない。
半七捕物帳:30 あま酒売 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お前が淫売いんばいをしたい故、衿に固練かたねり白粉おしろいもつけたい故、美味うまいものもたらふく食べたい故、俺から去って行ったのであろう、俺は今日きょうで三日もえている。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
万平は鏡台の前に座って勇ましく双肌脱もろはだぬぎになった。鏡台の曳出ひきだしを皆開け放して、固練かたねり白粉おしろいで胸から上を真白に塗りこくり、首筋の処を特に真白く、青光りする程塗上げた。
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)