“かたず”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カタズ
語句割合
固唾81.1%
片唾12.9%
堅唾2.3%
1.9%
固睡1.1%
型摺0.4%
肩摺0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しいんと一斉に固唾かたずを呑んだ黒い影をそよがせて、真青まっさおな月光に染まっている障子の表をさっとひとで冷たい夜風が撫でていった。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
それは敵か味方かと片唾かたずを飲んでいるまもなく、大屋根まで駈けつけた右の男は、いきなり群がる裸虫を片端から突き落しはじめました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この日もイエスはこの不具者を癒すであろうかと、悪意に満ちたパリサイ人は堅唾かたずをのんで様子をうかがっていた。
キリスト教入門 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
左様そうサ、お正さんが二十位の時だろう、四年前の事だ、だからおしょうさんは二十四の春かたずいたというものだ。」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
仏壇を前に、半円を描いた七人も思わず固睡かたずを呑みました。
旅の若い女性にょしょうは、型摺かたずりの大様な美しい模様をおいたる物を襲うて居る。笠は、浅いへりに、深い縹色はなだいろの布が、うなじを隠すほどに、さがっていた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
山遊びの時分には、女も駕籠かごも通る。狭くはないから、肩摺かたずれるほどではないが、まざまざと足が並んで、はっと不意に、こっちが立停たちどまる処を、抜けた。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)