“とつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
45.3%
12.0%
9.6%
6.3%
6.3%
4.8%
3.9%
2.4%
親父2.1%
0.9%
0.9%
教父0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
老爺0.6%
0.3%
十津0.3%
0.3%
0.3%
嫁付0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
熱海に避寒してゐる心臓の悪い父や、代々木にとついでゐる気の弱い妹などが電報を受取つて、驚くさまなどが思ひ描かれてゐたのだ。
イボタの虫 (新字旧仮名) / 中戸川吉二(著)
お留 さう云つても、我慢して稼いで貰はなければ、今日こんにちが過されませんからねえ。こちらのおとつさんは今日はお休みですか。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
今は心もそぞろに足をはやむれば、土蔵のかども間近になりて其処そこをだに無事に過ぎなば、としきりに急がるる折しも、人の影はとつとしてその角よりあらはれつ。宮はめくるめきぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この妙な女が五八頁のところで、七兵衛とお松に声をかけて、「もし/\、あのおとつさんにお娘さん」
中里介山の『大菩薩峠』 (新字新仮名) / 三田村鳶魚(著)
とつ! 心頭しんとう滅却めつきやくすればなんとかで、さとればさとれるのださうだけれど、あついからあつい。さとることなんぞはいまもつて大嫌だいきらひだ。……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其故それゆゑわたくしじゆくではこの規則きそく精神せいしん規則きそく根本こんぽんかへつて、各個人かくこじん都合つがふといふところを十ぶん了解れうかいせしむるといふ方針はうしんとつるのであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
「まだ直らないのか?」義雄は止むを得ず笑ひにまぎらして、自分の方はとつくに直つたのを氣の毒にも思はれる。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「待ってらっしゃい、秘密はキット此指環にあるワ、虫眼鏡むしめがねでなくたって、とつレンズの代りをするものならいいわけでしょう、これはどうでしょう」
向日葵の眼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
親父とつさん おいらも
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
あの改革案が岩村男の指金さしがねで無かつたら、とつくの往昔むかしに文部省の方でも取りあげてゐたに相違ないといふのは、少しく美術界の消息に通じてゐる者の誰しも首肯する所だ。
匹配ひつぱい百両王姫を御す このこことつおのおの宜きを得 偕老かいろう他年白髪を期す 同心一夕紅糸を繋ぐ 大家終に団欒の日あり 名士豈遭遇の時無からん 人は周南詩句のうちに在り 夭桃満面好手姿
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
どうもかうもねえだよ、教父とつつあん? 追んだしたものあ追ん出しただ、百姓がうちんなかから犬を追んだすとおんなじによ。
とつぐかあはれ月波根の
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
これとつてウームと力任ちからまかせにやぶるとザラ/\/\とたのが古金こきん彼此かれこれ五六十りやうもあらうかとおもはれるほど、金
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
吹落ふきおとしければ思はず兩人はかほ見合みあはせける此時兵助聲をかけ汝は山口六郎右衞門ならずやわがかく零落れいらくせしも皆汝が仕業しわざぞとかたはらにある竿竹さをだけとつて突て掛る六郎右衞門も心得こゝろえたりと身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其中そのうちはらすいたとえてラクダルは面倒臭めんだうくささうに手をのばして無花果いちじくとつくちれた。しか少年こども見向みむきもしないしのばさないばかりか、木實このみ身體からだそばちてすらあたまもあげなかつた。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
然し若しおれであつたら、もう、とつくになつてゐた筈だらう。
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「全體、お前とおれとは、な、お前の口調で云やア、同じ星のもとで生れてゐないのだ。とつくに離婚してゐた筈だが、ただ可哀さうだと思ひ/\して今までつづいたのア、云つて見りやア、おれのお慈悲だ。」
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
その後熊野十津とつ川から日高奥の諸山地で血の附いたような岩が水辺にあるを見るごとに検査すると多くは同じ紅藻だった
しきしまのやまとにしてはわが君や師のきみなれや Pinelピネル Conollyコノリとつくににして
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
とつぐにつけて、永らく世話をしてくれました乳母うばと召使いに、心ばかりの品をやりたいと存じまして」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この上は父のはからひに任せて、我はいづれにもあれ、外へは嫁付とつかず、一生独身にてくらし身を清らにさへ持ちたらましかばとそれのみ心に念じ居たり。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
御前おまへ一人ひとりぢやなし、にいさんもあることだから相談さうだんをしてたらいだらう。其代そのかはわたしそうさんにつて、とつくりわけはなしませうから。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)