とつ)” の例文
哲雄君は、そうしてときほごした筒の中から、一枚のとつレンズをえり出して、それを大切そうに手ににぎり、洞窟の外へ出て行きました。
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「待ってらっしゃい、秘密はキット此指環にあるワ、虫眼鏡むしめがねでなくたって、とつレンズの代りをするものならいいわけでしょう、これはどうでしょう」
向日葵の眼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
きれいな緑いろの両面とつレンズのかたちをつくり、それもだんだん、まん中がふくらみ出して、とうとう青いのは、すっかりトパースの正面に来ましたので
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その後にこわされた様々な構造は、突角稜角りょうかくとつ出角などをなしていたものである。
魔法罎の外側のつやつやとしているのがとつ面鏡の作用をなして、明るい室内にあるものが、微細な物まで玲瓏れいろうと影を落しているのであるが、それらが一つ一つ恐ろしく屈曲して映っているので
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
時計のガラスは、水を入れられると、立派なとつレンズになって、天井から落ちて来る、烈しい真昼の日光を受けて、向日葵ひまわりの穴の中へ焦点を落します。
向日葵の眼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
度のつよいとつレンズらしく、そのめがねのおくの両方の目は、おそろしく大きく見えるのです。そして、その目には、なにかぞっとするような光がかがやいていました。
妖星人R (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
先生は中にたくさん光るすなのつぶのはいった大きな両面りょうめんとつレンズをしました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
先生は中にたくさん光る砂のつぶの入った大きな両面のとつレンズを指しました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
即ち一般に板に面した方がへこみ、上がとつになる傾向がある。